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ざまあねえな!

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 「ほんとうに、ざまあねえな!」

 弾薬庫の爆発と洪水により荒廃した王宮の中に設置された宰相府といえば聞こえがいいが、ただの倉庫の中をボヌッチの嘆き声が響いていた。辛うじて機能している王国政府の情報網がもたらすものは本当にわるいものであった。

 「えーとな、まず我が政府に従うのは・・・この王都の周辺のみだな。しかも住民の多くが避難しているし、近衛部隊と・・・本当に少ないなあ、兵士は5000ぐらいしかいないのかい。我が王国に属す貴族で忠誠をクオモ公爵に寝返ったのは・・・ほぼ9割かい。本当にどうしようもねえな!」

 ボヌッチは目の前に送られてきた報告書を確認したうえで嘆いていた。それが意味するのは大抵の指導者だったら降伏しか選択の余地がないといえた。

 「そんなに悪いんか! 俺はどうすればいいんか!」

 アルベルトもいたが、すでに国王なんていえない状況であった。今の王国政府を動かしているのはボヌッチとその部下であった。もっとも風前の灯火であるといえたが。

 「悪いって決まっているだろ! サンドラ嬢が気に入らないならわしんところに早く相談してくれたらこんなことにはならなんだ! とりあえずは一緒にいてくれないか」

 この時点でアルベルトはボヌッチの部下のようであった。国王がやらないとならない事はあまりわからなかったからだ。

 「はい、はい! それにしても」

 「なんだ?」

 「いくら俺が無能な国王だといっても、国が崩壊するんがはやくねえか? サンドラを追い出して10日ぐらいなのに、ここまでなるなんて・・・」

 「で、なんじゃい? 誰かの差し金だといいたいんかい?」

 「そうだよ。それにサンドラの兄貴が戻っているのもおかしいし。なんか胡散臭いんだが」

 アルベルトは原因を考え直そうとしていた。
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