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ざまあねえな!

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 天井で男は何をしていたのか? そんなのは誰でも思う事は、若い男女が寝室でイチャイチャしているのを覗き見していたんだろう! アルベルトは烈火のごとく怒っていて、もうちょっとで良い事をするはずの気分も吹き飛んでしまい、加速度的に炎上していた。

 「そこのお前! 何しやがったんだ! わかっているだろう!」

 アルベルトは護身用に置いていた長剣を振り回した。しかし男は全てをかわしてしまい、こんな開き直りをした。

 「覗きしていたんだというますが、ここでワシを殺したらどうなりますか? 我が国の国王は簡単に賊に接近されたって悪くいわれますぞ。それよりもそこの本を見ませんか? これって大変な秘密が書かれています」

 どうやら男は天井から一緒に落ちてきた書物について言っているようだ。それでアルベルトはその本を拾うと男は隙を見て窓を突き破って脱出してしまった。あとは猛烈な風雨が流れ込んできた。そのタイミングで警備をしていたはずの近衛兵が入ってきた。どうも、国王の怒号を聞いて上司に確認を取っていたためすぐに入れなかったようだ。

 「陛下、何事ですか!」

 「遅いぞ! 出て行ってしまった! 今頃来てもらってもな! おい、王妃の方は見るな!」

 カルメンはドレスを脱ぎかかっていたので胸を隠していた。すると申し訳ないとばかりに後ろを向いたときに別の兵士が入ってきた。

 「申し上げます! 賊らしき者がここから出たようですが取り逃がしました! まるで獣のようでした」

 その兵士も即座に後ろを向かされ、その間にカルメンは脱ぎかけていたドレスをまた着た。そしてこんなことをいった。

 「ここは危険です! どこか別のところに行きましょう! こうなったら王宮内に戻るほうがましです! 準備して頂戴!」

 カルメンはパニックになっていた。ただでさえ暴風雨で不安だったのに獣のような奴がいたことが嫌になっていた。その間も破れた窓から容赦なく風雨が吹き込んでいた。その風が建物の梁を揺らしていた。もう建物は持ちそうもなかった。

 「お言葉ですが、この風雨では王宮に戻るのは危険です! とりあえず本宅に行きましょう! あそこでしたら風雨をしのげるところがあります!」

 二人は言われるがまま馬車に乗ったが、さらに風雨が激しくなり、目の前でさっきまでいた屋敷の屋根が吹き飛ばされてしまった。一同は安堵したがそれはさらなる災難の序章にすぎなかった。
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