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(2)逢瀬

カマキリ女戦闘員!

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 静香は人間のように直立していたが手足はカマキリと同じように六本あった。また頭部は三角の虫そのものの顔になっていた。もし、ただ特撮ヒーロー作品に出てくる悪役怪人のように着ぐるみでも着ているだけなら良かったのにと思っていた。

 「なあ、静香。その頭部のマスク取れねえか?」

 「なにいってんのよ! もし取れたら苦労していないってば!」

 そういって両手というか一番上の鎌首のような手を首筋に立てていた。こいつで町のゴロツキをミンチに切り刻んだと思うとゾットしてしまった。

 俺の表情を察したのか静香は、ゴメンネと謝ってくれた。彼女の身体を見ると上の腕は鎌首、真ん中の手は節があるけど人間と同じ五本指、下は足そのものだった。背中には大きな羽がついていた。

 「ところでお前、それって改造されたのは女戦闘員だよな。まさか俺がお前とエッチをすると俺もカマキリ戦闘員になるのか、それとも俺を喰うのか?」

 俺はイマイチエッチな気分になれないのでおかしな質問をしてしまった。これが人間だった静香に誘われたのなら、横になれるスペースがあれば二人そろって初体験! とやってもよかったけど、静香には悪いけど性的興奮は起こらなかったから仕方なかった。

 考えてみれば、静香は結構グラマーで巨乳でフェロモンみたいなものを出していたような気がした。でも、今の彼女は女戦闘員、よくいっても(わるいともいえるが)女怪人でしかなかった。

 「門田君とエッチをやってもカマキリ人間にならないと思うよ。わたしをこんな姿にした物質って結構質量があったから。私の体内にはそんなものは入っていないはずよ。それにしてもわたしが門田君を喰おうとなんて・・・まさか、カマキリが交尾すると雄が雌に食べられてしまうって話を信じているの?」

 静香は俺の股間を露出させようとしてズボンを下ろそうとした手を止めた。彼女が言うように俺は昔ネットかテレビか忘れたけど、カマキリの共食い現象を見たことがあった。

 たしかそれは海外のカマキリで、交尾中の雄が身体の大きい雌に頭部を食べられてもなお、残された腹部は交尾をやめなかったという映像だった。たしか静香にそれを話したとき、いやな顔をされた事を思い出したのだ。

 「まあ、わたしが門田君を誘っているのだからエッチな事をして喰おうとしているのは間違いないけど、わたし門田君を食料として喰ったりしないわよ。失礼ね。はやくわたしを女にしなさいよ!」

 静香はそういうと俺のズボンを下ろしさらに着ていた服を全て脱がして(こういうことって男が女の服を脱がすものとばかり思っていたけど逆だよな)裸にすると、無理矢理俺の身体、特に下腹部を愛撫しはじめた。どうやら静香は肉食系女子になったようだった。
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