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(4)門田
生物兵器彼女の最期!
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目の前にいる蟷螂女は静香を材料にして誕生した生物兵器だった。纐纈の隣にいる男が持ち込んだ技術によっておぞましい姿にされていた。そんな姿の兵器ならこいつらがなればいいのにと怒りを覚えた。隣にいる男の母国の指導者は敵に対し無慈悲な攻撃を主張して最期は肉片に砕け散ってしまったが、俺は同じ目に合わせてやりたいと思った。しかし、その前にやらねばいけない相手がいた。目の前の蟷螂女だ。
急激な筋肉の進化によって俺の腕の筋肉は皮膚を突き破り血液が吹き上げていた。そうなったのも蟷螂女の外骨格をボロボロに打ち砕くために攻撃したためだ。
蟷螂女の六本の腕を覆う外骨格にヒビが無数に入り剥落しはじめていた。そしてその傷から流れ落ちる血液は・・・青かった。そいつの体内に流れるそれは人間ではなくなっていた。そして胸部の外骨格が外れて露出した内臓は真っ白だった。そう、こいつは蟷螂を人間サイズにしたもののような身体の構造をしていた。
「ぎゃー! ぎゃー! ぎゅおー!」
もはや静香の心を失い生物兵器としての自己防御本能しか残っていない蟷螂女は最期の反撃とばかりに猛烈なアタックをしかけてきた。俺はそいつのアタックをかわした直後に最大の武器である両腕の鎌を根元からへし折った・すると中から噴水のように真っ白な血液を吹き上げた。
「わー! わー! ぎゅわー!」
断末魔の叫びのような声をあげた。それでもかまわず俺はさらに激しい攻撃を加えた。外骨格の割れ目を執拗に攻撃し、果物の皮をはぐように蟷螂女を覆っている甲冑のようなそれを崩していった。そうしたのは、もしかすると中から静香の人間としての肉体の痕跡を見いだせるかもしれないと思ったからだ。
思えば、静香は幼馴染なので良く知っていたけど、女として見たことがなかったので、恋愛感情を抱いても肉欲の対象と考えたことはなかった。そう、静香と契りをかわそうなんて露ほども思っていなかった。だから静香が人間だった時にすればよかったと後悔を感じていた。
しかし狙いは外れ、カマキリ女のボロボロになった身体の断面や裂け目から見えるのは、人間の骨格ではなく蟷螂をバラバラにしたようなものだった。残酷にも諸橋の奴が幼い頃に蟷螂やバッタを潰した時と一緒だった。
「すまねえ、静香!」
そういって俺は蟷螂女の頭部を押しつぶしていた! 俺はせめて中から静香のシャレコウベの破片がないかと思っていたが、そのなかはザクロではなくゴーヤでも潰したかのように白い液体が吹き上げてきた。頭部もまた蟷螂と同じだった・・・
だが、頭部を押しつぶしても蟷螂女の暴走は続いた。否、頭によるコントロールを失って闇雲な行動を始めたのだ。もはや暴れるだけの屍とかしていた。しかも生物兵器として改造された本能のためか無秩序な攻撃は俺だけでなく、処分しようとして入って来た武装兵士にもくわえられた。そのためあたりは阿鼻叫喚の地獄と化した。
それなりの装備をしている武装兵士ですら蟷螂女のボロボロになった肉体の体当たりによって倒されて行ったのだ。なかには衝突で腕を押しつぶされる者や壁面に突き飛ばされて大量出血してグッタリする者が続出した。それで纐纈の声が聞こえてきた。
「かまわん! 火炎放射装置を使え!」
すると兵士の一人が壁面のパネルを操作し、中から放射器を取り出すと蟷螂女目がけて火炎放射器を発射した。全身を紅蓮の炎に包まれた静香だったやつは活動を停止した・・・
急激な筋肉の進化によって俺の腕の筋肉は皮膚を突き破り血液が吹き上げていた。そうなったのも蟷螂女の外骨格をボロボロに打ち砕くために攻撃したためだ。
蟷螂女の六本の腕を覆う外骨格にヒビが無数に入り剥落しはじめていた。そしてその傷から流れ落ちる血液は・・・青かった。そいつの体内に流れるそれは人間ではなくなっていた。そして胸部の外骨格が外れて露出した内臓は真っ白だった。そう、こいつは蟷螂を人間サイズにしたもののような身体の構造をしていた。
「ぎゃー! ぎゃー! ぎゅおー!」
もはや静香の心を失い生物兵器としての自己防御本能しか残っていない蟷螂女は最期の反撃とばかりに猛烈なアタックをしかけてきた。俺はそいつのアタックをかわした直後に最大の武器である両腕の鎌を根元からへし折った・すると中から噴水のように真っ白な血液を吹き上げた。
「わー! わー! ぎゅわー!」
断末魔の叫びのような声をあげた。それでもかまわず俺はさらに激しい攻撃を加えた。外骨格の割れ目を執拗に攻撃し、果物の皮をはぐように蟷螂女を覆っている甲冑のようなそれを崩していった。そうしたのは、もしかすると中から静香の人間としての肉体の痕跡を見いだせるかもしれないと思ったからだ。
思えば、静香は幼馴染なので良く知っていたけど、女として見たことがなかったので、恋愛感情を抱いても肉欲の対象と考えたことはなかった。そう、静香と契りをかわそうなんて露ほども思っていなかった。だから静香が人間だった時にすればよかったと後悔を感じていた。
しかし狙いは外れ、カマキリ女のボロボロになった身体の断面や裂け目から見えるのは、人間の骨格ではなく蟷螂をバラバラにしたようなものだった。残酷にも諸橋の奴が幼い頃に蟷螂やバッタを潰した時と一緒だった。
「すまねえ、静香!」
そういって俺は蟷螂女の頭部を押しつぶしていた! 俺はせめて中から静香のシャレコウベの破片がないかと思っていたが、そのなかはザクロではなくゴーヤでも潰したかのように白い液体が吹き上げてきた。頭部もまた蟷螂と同じだった・・・
だが、頭部を押しつぶしても蟷螂女の暴走は続いた。否、頭によるコントロールを失って闇雲な行動を始めたのだ。もはや暴れるだけの屍とかしていた。しかも生物兵器として改造された本能のためか無秩序な攻撃は俺だけでなく、処分しようとして入って来た武装兵士にもくわえられた。そのためあたりは阿鼻叫喚の地獄と化した。
それなりの装備をしている武装兵士ですら蟷螂女のボロボロになった肉体の体当たりによって倒されて行ったのだ。なかには衝突で腕を押しつぶされる者や壁面に突き飛ばされて大量出血してグッタリする者が続出した。それで纐纈の声が聞こえてきた。
「かまわん! 火炎放射装置を使え!」
すると兵士の一人が壁面のパネルを操作し、中から放射器を取り出すと蟷螂女目がけて火炎放射器を発射した。全身を紅蓮の炎に包まれた静香だったやつは活動を停止した・・・
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