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(4)門田
魂の声
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俺がなぜ魂の声だと感じたかというと、耳が聞き取ったのではなくそのように心に伝わってきたからだ。たとえるならテレパシーみたいなものだったのかもしれない。化け物になった静香の叫び声だった。それに対する俺の答えも同様だった。俺の口は喘ぎ声に支配され人間の言葉を発することができなかったからだ。
「おまえ・・・まだ自我が残っていたのか?」
「そうよ・・・あなたにはここから脱出してほしいわ。でも、その前にやってもらいたいことがあるわよ」
「それって・・・まさか?」
俺は静かにある想いを抱いているのがわかった。それは・・・静香の、蟷螂女の息の根を止める事だ!
「わたしはねえ、もう元の姿に戻れないのはわかるわよ。それに実験動物にすぎないから用が済めば諸橋君のようになるのは目に見えているわ。この研究所に来てからというもの、おなじような目にあった人達を見てきたわ。みんな最期は・・・」
そういって静香の複眼は天井付近の窓から見下ろす奴をみやった! 纐纈だ!
「あそこの奴とね、わたしをこんな姿にした奴は結託しているのよ。きっと売ったのよね・・・人体改造弾丸の秘密を!」
「人体改造弾丸? それが・・・」
半島の工作員崩れが密かに持ち込んだ終末の兵器といえる恐ろしく忌まわしいものによって静香の人間としての未来が奪われていたと思うと怒りしかこみ上げてこなかった。しかも、それを悪用しようとしている纐纈の奴はもっと許せなかった!
「ええ、その弾丸は三発しか利用可能なものは残っていなかったそうよ。そのうち一発はわたし、そして一発は諸橋君、残った一発は・・・あいつが自分に使ったのよ!」
「使った?」
俺は静香が言おうとしていることが理解できた。纐纈の奴は自らを実験体になったんだと。でもなぜ?
「使った事で全ての生体兵士の始祖になったのよ。この研究所ではね、人体改造弾丸の量産が行われているのよ。でも実際に使える量まで溜まるまでには足りないものがあるのよ。それは人体改造弾丸によって改造された男女による受精卵よ! それがあればもっと効率よく作れるそうよ」
「それって・・・まさか?」
俺の身体は欲情し熱く静香の蟷螂体と情交していたが、この行為の意味を知った!
「今の私たちは、あいつの野望成就の手段を提供しているわけよ! だから私たちが逝ったときが、今の世界の終りの始まりなのよ! 私たちの行為の結晶が悪魔の子供ということよ!」
そんなやり取りをしている間も俺たちは激しく愛し合っていた。悪魔を生み出そうとして!
「おまえ・・・まだ自我が残っていたのか?」
「そうよ・・・あなたにはここから脱出してほしいわ。でも、その前にやってもらいたいことがあるわよ」
「それって・・・まさか?」
俺は静かにある想いを抱いているのがわかった。それは・・・静香の、蟷螂女の息の根を止める事だ!
「わたしはねえ、もう元の姿に戻れないのはわかるわよ。それに実験動物にすぎないから用が済めば諸橋君のようになるのは目に見えているわ。この研究所に来てからというもの、おなじような目にあった人達を見てきたわ。みんな最期は・・・」
そういって静香の複眼は天井付近の窓から見下ろす奴をみやった! 纐纈だ!
「あそこの奴とね、わたしをこんな姿にした奴は結託しているのよ。きっと売ったのよね・・・人体改造弾丸の秘密を!」
「人体改造弾丸? それが・・・」
半島の工作員崩れが密かに持ち込んだ終末の兵器といえる恐ろしく忌まわしいものによって静香の人間としての未来が奪われていたと思うと怒りしかこみ上げてこなかった。しかも、それを悪用しようとしている纐纈の奴はもっと許せなかった!
「ええ、その弾丸は三発しか利用可能なものは残っていなかったそうよ。そのうち一発はわたし、そして一発は諸橋君、残った一発は・・・あいつが自分に使ったのよ!」
「使った?」
俺は静香が言おうとしていることが理解できた。纐纈の奴は自らを実験体になったんだと。でもなぜ?
「使った事で全ての生体兵士の始祖になったのよ。この研究所ではね、人体改造弾丸の量産が行われているのよ。でも実際に使える量まで溜まるまでには足りないものがあるのよ。それは人体改造弾丸によって改造された男女による受精卵よ! それがあればもっと効率よく作れるそうよ」
「それって・・・まさか?」
俺の身体は欲情し熱く静香の蟷螂体と情交していたが、この行為の意味を知った!
「今の私たちは、あいつの野望成就の手段を提供しているわけよ! だから私たちが逝ったときが、今の世界の終りの始まりなのよ! 私たちの行為の結晶が悪魔の子供ということよ!」
そんなやり取りをしている間も俺たちは激しく愛し合っていた。悪魔を生み出そうとして!
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