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(6)決戦

乱戦!

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 輸送機が墜落炎上した衝撃音を聞いた纐纈らの護衛の自衛隊員は非常事態だと認識しただちに滑走路末端へと集まった。もちろん状況の確認と輸送機の乗員を救助するためであったが、その途中に仁王立ちしていたのは、カマキリの化け物だった!

 「報告します! カマキリの化け物がいます!」

 上官に自衛隊員は報告したが、冗談を言っている場合でないと叱責された。すると、そのカマキリがジープの車体を切り刻み始めたので、自動小銃を持った隊員が躊躇せずに発砲したが・・・

 「大変です! カマキリの鎌で・・・マシンガンを真っ二つにしました」

 門田と静香は被害を比較的軽くしようと思い、自衛隊員らの車両と兵器を使えないようにした。無論それでは自分たちの身は危なかった。少なくとも纐纈とパクを殺すまでは生きていなければならなかったが、出来れば人間を殺したくなかった。人でなしを殺すためにむやみに殺したくなかった。

 「お前ら、なにをやっているんだ!」

 護衛部隊の小隊長が直々にやってきたが、目の前にいるカマキリのお化けに唖然としていた。しかし、ただちに重火器による攻撃を支持した。この時、ただの護衛のはずなのにここまで重装備をしてきたのか理由が分かったような気がした。

 「訳が分からないが、とにかく行動不能にしろ!」

 小隊長の命令で重火器による集中攻撃が行われた。外れた弾丸によって滑走路わきのフェンスは次々と破壊されたが。肝心のカマキリの化け物は無傷と言っていい状態だった。そして隊員たちの前に立ちはだかった。

 「なんなんだあ?」

 隊員たちは唖然としていた。いくら精鋭の訓練を施された戦闘部隊であっても、相手は人間の兵士とその兵器を想定しているのに、このような化け物などと戦うことなど想像すらしていなかった。だから何をどうすればいいのか分からないのだ。

 隊員たちの中には気がおかしくなった者や、持ち場を放棄する者まで出てきた。前線は崩壊しつつあった。その事態にも小隊長は勇敢にも携帯ロケット砲でカマキリのお化けの前に決死の突撃をした。そして撃とうとした寸前、化物がこんなことを言った。

 「こ、殺したくないのよ! お願いだからやめて!」

 それは少女の声だった。その声に一瞬躊躇した瞬間、化物の鎌がロケット砲の砲身を切り刻んでしまい、それで態勢を崩した小隊長は前のめりに倒れてしまった。周囲は硝煙が立ちこもり炎上する車両が転がっていた。隊員の中には鎌によって手足が切り裂かれた負傷者も複数いた。

 「お前! なぜ言葉を?」

 小隊長は転倒によって流血していたが、よく見るとカマキリの外骨格も無数の傷がつき体液らしいものが滲んでいた・

 「あなたたちは逃げて! 本当に悪い奴を殺すのだから!」

 小隊長はそんな言葉を聞いてから、カマキリの視線の先をみたとき、そこには二人の・・・いや二体の化け物がいた! 
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