28 / 43
(5)融合
秘密研究基地の秘策
しおりを挟む
その時、俺たちがいたのは纐纈とパクの狂気の生体兵器開発を行う秘密研究基地だった。それは廃坑になった銅山を転用したもので地上から数百メートルの地下に隔離されていた。俺らの肉体が融合したバケモノは岩盤の下敷きの状態から這い出した!
「門田くん、あいつらがいないわ! あいつらだけは・・・殺さないと、犠牲者は増えるわ!」
静香はそう言ったが、目の前には俺たちが殺した自衛官の死体があった。あいつらを殺すためにあと何人犠牲になるかもしれないとの考えも出来たが、もはや俺たちが融合したバケモノに、そんな安っぽい人道主義などなかった。纐纈やパクの姿はなかったが、何をしようとしているのかは想像できた。この秘密基地を使用不能にする秘策を繰り出してくることだ!
そのころ、上層階に上がった纐纈は東京にいる上司に報告していた。
「実験体十三号が暴走しました。既に二名の殉職者を出しています。7707作戦の承認をお願いします」
「7707作戦か・・・いまから防衛大臣に裁可していただくが、いまアメリカ訪問中だぞ! 時間を貰えないか?」
「そんなのは事後承認でいいですよ。もしいただけないのでしたら今までの研究データを失いますよ。ここの予算って総理の忖度で工面しているんでしたのよね? 幕僚長殿」
纐纈に幕僚長といわれた高級制服組の初老の男性の顔は引きつっていた。何か拒絶できない事情がいろいろありそうだった。
「わ、わかった承認する。緊急避難的に行った行動だったと総理に報告してくれるだろ?」
「ご承認ありがとうございます、叔父には良いように伝えて差し上げますよ」
纐纈の顔は、この危機的状況であっても余裕の表情だった。それに対しパクは呆れた表情を浮かべていた。
「あんたの影の政治力はすげえな。そんなにあるのならすぐにでも政治家になればいいだろ?」
「政治家になったって最初は下っ端で権力なんかないぜ。それよりもこの研究を使って人類の人工進化の手段を確立するのが先決だ。そのためには実験体十三号の動きを封じ込めてやる! 」
そういって纐纈は統合幕僚本部から送信されてきた機密コードを端末に打ち込んだ、すると断末魔の悲鳴のような警報が研究所内に鳴り響いた。それは一体?
纐纈によって実験体十三号と命名された静香と門田が融合して誕生したカマキリ型昆虫人間は瓦礫から出ると、研究所の施設を破壊しながら進んでいた。途中で警備兵や装甲服に身を包んだ研究員を葬りながら。進むたびに死体の列が続くようになった。その直後、警報音とともに大量の水が流れ込んできた! 死体もそして実験体十三号もあっという間に泥水に姿を消した!
「門田くん、あいつらがいないわ! あいつらだけは・・・殺さないと、犠牲者は増えるわ!」
静香はそう言ったが、目の前には俺たちが殺した自衛官の死体があった。あいつらを殺すためにあと何人犠牲になるかもしれないとの考えも出来たが、もはや俺たちが融合したバケモノに、そんな安っぽい人道主義などなかった。纐纈やパクの姿はなかったが、何をしようとしているのかは想像できた。この秘密基地を使用不能にする秘策を繰り出してくることだ!
そのころ、上層階に上がった纐纈は東京にいる上司に報告していた。
「実験体十三号が暴走しました。既に二名の殉職者を出しています。7707作戦の承認をお願いします」
「7707作戦か・・・いまから防衛大臣に裁可していただくが、いまアメリカ訪問中だぞ! 時間を貰えないか?」
「そんなのは事後承認でいいですよ。もしいただけないのでしたら今までの研究データを失いますよ。ここの予算って総理の忖度で工面しているんでしたのよね? 幕僚長殿」
纐纈に幕僚長といわれた高級制服組の初老の男性の顔は引きつっていた。何か拒絶できない事情がいろいろありそうだった。
「わ、わかった承認する。緊急避難的に行った行動だったと総理に報告してくれるだろ?」
「ご承認ありがとうございます、叔父には良いように伝えて差し上げますよ」
纐纈の顔は、この危機的状況であっても余裕の表情だった。それに対しパクは呆れた表情を浮かべていた。
「あんたの影の政治力はすげえな。そんなにあるのならすぐにでも政治家になればいいだろ?」
「政治家になったって最初は下っ端で権力なんかないぜ。それよりもこの研究を使って人類の人工進化の手段を確立するのが先決だ。そのためには実験体十三号の動きを封じ込めてやる! 」
そういって纐纈は統合幕僚本部から送信されてきた機密コードを端末に打ち込んだ、すると断末魔の悲鳴のような警報が研究所内に鳴り響いた。それは一体?
纐纈によって実験体十三号と命名された静香と門田が融合して誕生したカマキリ型昆虫人間は瓦礫から出ると、研究所の施設を破壊しながら進んでいた。途中で警備兵や装甲服に身を包んだ研究員を葬りながら。進むたびに死体の列が続くようになった。その直後、警報音とともに大量の水が流れ込んできた! 死体もそして実験体十三号もあっという間に泥水に姿を消した!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる