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ガイノイド”イブ”と彩華
なぜ秘密を?
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「どおして・・・」
私は戸惑っていた、目の前の同級生の言葉を。わたしがガイノイドの”内臓”ということを。もいろん私は肉体の改造までは受けていないので人間だけど、股間だけをみれば機械だと思われても仕方ない身体だ。
「まあ、これ以上はここで詮索しないさ。あとであたいがいう事を聞けば皆にばらさないから」
その同級生は、一見すると男のようだった。でも、ここは女子更衣室だからいるはずはなかった。髪の毛は刈り上げていて女らしくないヘアカットで、なにかのアスリートのようでもあった。そのかわり胸は大きかったが、それは乳腺が発達しているのではなく胸の筋肉が発達し膨らましているようだった。そして手足は鍛え抜かれた筋肉に構成されていた。
私が呆然としていると、その女に何人かの同級生が近づいて来た。目的はその女だった。
「マキさん、どおして湯浅っちなんか相手にしていているんですか? 早く行きましょうよ!」
そういう同級生は私なんか無視している女のひとりだった。このクラスでは湯浅は雑魚キャラ、花束のバラを飾るカスミソウよりも目立たない花を束ねる紐ですらないぐらい希薄な存在だから。まあ、夜ガイノイドとして散々人と付き合っているので、学校ではほっといてもらって清々していたけど。
私の秘密をしる女、マキというらしいけど気になって仕方なかった。私は学校指定のツーピースの水着に着替えプールサイトに向った。その時、クラスの女子たちばかりでなく隣で授業している男の視線も感じていた。その視線の先はたまたま隣になったマキだった。彼女の見事なボディに注目が行っているようだった。彼女はクラスのヒロイン的存在だったようだ。おれにくらべ私、湯浅はどこにでもいる平凡なその他大勢、ただしガイノイドの素体という点をのぞいて。
その日の授業はいつものように過ぎ去っていった。先生に注意も指導もされず同級生にはなんら印象など残らないだろう。私からすれば学校の授業で着用する水着なんて物足らなかった。私を変えるガイノイドの外骨格に覆われ、拘束感と服従させられる被支配の圧迫感、そして人間ではなく備品扱いにされる方が、今の私が生きていることを実感できる時間だった。そう、わたしは人間ではなくガイノイドとして過ごす方が生きていると実感していた。でも、なぜマキは知っているんだというのだ?
問題なく授業が終わり私は急いで水着を脱いでいた。このとき股間に装着しているサポーターはシリコン製だから、ぱっと見で分からないのを良いことにすぐスカートをはいて誤魔化した。そして急いでトイレに駆け込んでサポーターを外すためだ。でも、そこにいたのはマキだった。
「湯浅彩華さん、いやガイノイド”イブ”! 今日の放課後は私の家に行きなさい!そうすればあなたの秘密は内緒にしてあげるわ」
なぜ、秘密を知っているのよ、この女は!
私は戸惑っていた、目の前の同級生の言葉を。わたしがガイノイドの”内臓”ということを。もいろん私は肉体の改造までは受けていないので人間だけど、股間だけをみれば機械だと思われても仕方ない身体だ。
「まあ、これ以上はここで詮索しないさ。あとであたいがいう事を聞けば皆にばらさないから」
その同級生は、一見すると男のようだった。でも、ここは女子更衣室だからいるはずはなかった。髪の毛は刈り上げていて女らしくないヘアカットで、なにかのアスリートのようでもあった。そのかわり胸は大きかったが、それは乳腺が発達しているのではなく胸の筋肉が発達し膨らましているようだった。そして手足は鍛え抜かれた筋肉に構成されていた。
私が呆然としていると、その女に何人かの同級生が近づいて来た。目的はその女だった。
「マキさん、どおして湯浅っちなんか相手にしていているんですか? 早く行きましょうよ!」
そういう同級生は私なんか無視している女のひとりだった。このクラスでは湯浅は雑魚キャラ、花束のバラを飾るカスミソウよりも目立たない花を束ねる紐ですらないぐらい希薄な存在だから。まあ、夜ガイノイドとして散々人と付き合っているので、学校ではほっといてもらって清々していたけど。
私の秘密をしる女、マキというらしいけど気になって仕方なかった。私は学校指定のツーピースの水着に着替えプールサイトに向った。その時、クラスの女子たちばかりでなく隣で授業している男の視線も感じていた。その視線の先はたまたま隣になったマキだった。彼女の見事なボディに注目が行っているようだった。彼女はクラスのヒロイン的存在だったようだ。おれにくらべ私、湯浅はどこにでもいる平凡なその他大勢、ただしガイノイドの素体という点をのぞいて。
その日の授業はいつものように過ぎ去っていった。先生に注意も指導もされず同級生にはなんら印象など残らないだろう。私からすれば学校の授業で着用する水着なんて物足らなかった。私を変えるガイノイドの外骨格に覆われ、拘束感と服従させられる被支配の圧迫感、そして人間ではなく備品扱いにされる方が、今の私が生きていることを実感できる時間だった。そう、わたしは人間ではなくガイノイドとして過ごす方が生きていると実感していた。でも、なぜマキは知っているんだというのだ?
問題なく授業が終わり私は急いで水着を脱いでいた。このとき股間に装着しているサポーターはシリコン製だから、ぱっと見で分からないのを良いことにすぐスカートをはいて誤魔化した。そして急いでトイレに駆け込んでサポーターを外すためだ。でも、そこにいたのはマキだった。
「湯浅彩華さん、いやガイノイド”イブ”! 今日の放課後は私の家に行きなさい!そうすればあなたの秘密は内緒にしてあげるわ」
なぜ、秘密を知っているのよ、この女は!
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