ロボ娘(機ぐるみ)にされたおんなのこ!

ジャン・幸田

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(4)ロボ娘水泳授業

84.あいつも実験体

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 中里が突き出したつま先に理恵は一瞬バランスを崩したがすぐに態勢を持ち直した。すると遠くから生活指導の体育教師の柳澤の怒鳴り声が聞こえた。

 「お前ら! 早く登校しろ!」

 その声が聞こえた時僕は中里にこう言った。

 「そのロボットって高いだろ、きっと! それに録画機能だってあるだろ!」

 その言葉に何かはっとしたような表情をしたが、それは反省といったものではなく、弁償するのはまっぴらといったものだった。彼女の心は歪んでいたのかもしれない。

 「大丈夫か理恵?」

 「ええ、問題ないわよ。でもねロボットって翔太も酷いわね、しかたないけど」

 「そうさ、しかたないさ。君は登校用の体験型ということになっているから。それにしても中里ってイジメてこないか?」

 「そうだね、あの女ならやりかねないわ。中学の時に彼女にイジメられて転校した娘がいたしね。なんかイライラしているからねいつも。あんなに大きな身体しているから反抗する女子なんていないからね」

 「そうだなあ、男子も見て見ぬふりだし。女のイジメほど恐ろしいモノないし」

 「あー! そう思っているんだクラスの男どもは! たしかにそうだけど。まあ、今回のミッションはそれをモニタニングするのよ! あの女の反応を」

 理恵からするとイジメっ子の中里ですら実験体であった。
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