ロボ娘(機ぐるみ)にされたおんなのこ!

ジャン・幸田

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(3)恵理改造!

73.誕生(2)

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 次の朝目を覚ました私は身体だけでなく意識までもロボット娘になった事を自覚しなければならなかった。私を覆う機ぐるみは私の身体を一種のエネルギー発生装置にすることで稼働するロボットへと変えていた。

 体温は電気へと変換して機械を稼働させるし、私の循環器系は人工筋肉への供給システムだし、神経系は全体を統括する伝達系であった。そして意識はロボット娘として振る舞う事を矯正していた。

 「理恵、午前5時37分起動しました。システムに特に異常ありません。ただいま駆動系の最終チェック中です。あと五分で機械子宮から出るのが可能になります」

 私は誰に報告しているのだろうか? そう思っていると自分の姿が視覚イメージに送られてきた。昨日までの私は、どこにでもいる平凡な少女だった。いくら不良になろうとして茶髪にそめても化粧をしても、大して変わり映えしなかった。簡単に言ったら、その他大勢のザコキャラでしかなかったはずだ。

 だが、今は私はロボット娘だ。その外観は量産型外骨格なので同じ姿をしたロボット娘は他にもいるはずだが、その内臓は私自身だ!  私の身体を材料にして誕生したやつだ!

 胸のふくらみの中は私が呼吸するのを奪った装置があるほか、私の生身から人工筋肉へエネルギーを供給している。腰の膨らみは様々な機器が埋め込まれていて、その機器の先端は私の体内へと挿入されていた。そして頭部は私の人間としての喜怒哀楽を封印し薄っすらとした微笑みを湛えて凍結した表情をしたフェイスガードが被せられていた。

 「おはよう、理恵さんロボット娘として起動した感想はうかか?」

 研究員七号のメッセージを受け取った。私は彼女と同じ存在になっていた。機械に支配された人間を材料にした機械仕掛けのロボット娘にされてしまった!
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