ロボ娘（機ぐるみ）にされたおんなのこ！

（2）ロボ娘ラボ

25.イン・ドリーム（1）

　僕はひと時の間、夢を見た。その夢は今朝の場面だった。あの気怠い暑さ漂う高校に続く坂道を登っていた。高校は昭和時代終期に作られた学校で、歴史は市内にある他の学校よりも浅く、住宅開発地区の高台にあった。通学路の坂道はどこかの民家が軒を並べているのが見えた。それらは学校へ行き帰りしていれば毎回必ず見る風景だった。

　その時、まだ夢の認識がなかったのでボーゼンとしていたら目の前を歩く女子生徒がいた。それは・・・

　「鈴木君、おはよう！」

　理恵だった。その顔は見慣れたものであったので、これといった感慨はなかった。要は女とみていなかった。

　「金城さんか・・・おはよう」

　「なにか、かよ！　それよりも急がないと！　遅刻しなくても遅かったら生活指導の先生のお小言うるさいでしょ！」

　恵理は極標準的な背格好の女だったので、その他大勢の女たちと一緒なら目立たない存在だけど、今は単体なのでなんか愛おしく感じられた。そのとき、あれっ？　と思った。

　「金城さん、さっき変な夢を見たんだよ」

　「変な夢？　なによそれ！　バーベキューで食べ過ぎた夢でもみた？」

　「それは、もう何年前のことかよ！　あれって町内会の行事の話じゃないかよ！」

　僕は小学校六年の時の事を思い出していた。それって今出てくる話なのか！