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(1)二学期始業式

09.フェイク!(3)

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 当たり前といえばそうであるが、授業中の恵理はまるで人形のように動かなかった。見方によれば居眠りしているようでもあった。綾先生はタブレットを操作しながらボードに映し出す画像を説明しながら教壇を右に左に動いていた。その様子を恵理は微動だにしなかったのだ。

 他の生徒といえば、自分のタブレットで教科書を確認したり、メモを取ったり、中には上の空で聞き流しているのもいたが、大抵は身体が少しは動いている。しかし恵理はピクリともしなかった。

 授業の中盤になって綾先生はある事を理解していますかと生徒に質問した。少し難しい事だったので答えられない生徒が何人かいたあとで、恵理に質問した。すると彼女は立ち上がった。

 その時、僕ははっとした。彼女のブラウスが透けて見えたからだ。そのような光景は夏休み前にもあった。ただ、その時見えたのはブラジャーの紐などであった。いま見えたのは・・・彼女の外骨格だった。

 ブラウスから透けたのは背中の外骨格の吸気口だった。たしか硬質な素材で覆われたガイノイドの場合、内部で発生する熱を放出する穴がどこかにあると聞いたことがあった。恵理の吸気口は人間でいえば左右の肩甲骨のあたりにあった。あれ? 彼女の中身はどうなっているんだろう?
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