ロボ娘（機ぐるみ）にされたおんなのこ！

（１）二学期始業式

07.フェイク！（1）

　クラスのざわめきの意味はカオスだった。夏休みの間に恵理にどんな事が起きたというのだろうか様々な憶測は巻き起こっていた。それを止めようとしたのは先生の言葉であった。

　「次行くわよ！　事情は後で説明するから！」

　結局、先生は最後の渡部まで出欠確認をしたが、クラス全体のざわついた雰囲気は収まらなかった。終わったところで恵理の事を説明し始めた。

　「気づいていることでしょうけど、金城さんは夏休みの間に交通事故に巻き込まれまして、入院中です。それで今日登校してきたのは彼女の代理です。彼女は病室でネット回線で授業を受ける事になります。ですから同じようにしてください」

　その説明にクラス全体はなんだやっぱり、という雰囲気になった。こういった遠隔授業を受ける事は聞いたことがあったからだ。とあるテレビドラマで難病で余命いくばくもない少女が、自分の意識をアンドロイド、いや女性型だからガイノイドというけど、その機械と意識をシンクロして学校生活を送るというものがあった。

　そのドラマでは全国の同じように遠隔授業に代理ロボで参加している子供たちが紹介されていたので、今どきの高校生の大半は知っている事であった。だから恵理も同じという事らしかった。