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(1)二学期始業式

05.違和感な彼女(4)

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 恵理と僕が教室に入った時、クラスメイトからは特に注目されなかった。それは最後に急いで入ってきた奴が思いきりコケたから。それに恵理の席は廊下側の後ろの方なので、教壇を横切ったりしないから、気が付かない生徒が多数だった。また恵理はクラスの中の女子の中でも目立たない存在のはずだったから・・・

 それでも近くの席の連中はなにやらコソコソ話をしていた。それは人間でない姿の同級生がいる事に気が付き始めたからだ。ちなみに僕の席は教室の一番後ろの中央だったのでクラスの様子が一望できた。

 ホームルームが始まる時間になって、担任の藤原綾が来たが、挨拶もそこそこに静かにするようにといわれた。

 その日は始業式だったので校長先生の講話が放送された。なんでも体育館のエアコンが故障したので、各教室で行われたのだ。だから校長先生の聞き取りやすい日本語であっても興味の湧かない話が流れる中、教室内では恵理の姿に気付いて騒めきが静かに起きていた。この教室にはロボットが登校しているんだと!

 その様子に担任の綾先生は落ち着かない様子だった。ちなみに綾先生は生物の教師でアラフォーで美人でもブスでもないがスタイルはそれなりに良くて、普段は殆ど笑わない鉄仮面みたいな無表情な顔をしていた。
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