四番センター「やまもとこうじ」君

ジャン・幸田

文字の大きさ
上 下
9 / 11
新入部員は野球素人!

撃った! 三塁へダッシュ!(2)

しおりを挟む
 牧田は藤井監督がまだ会って話をしたこともない晃司に期待を持っているのは分かった。たしかに身体は立派であったが、動きは鈍そうで俊敏でないのはわかっていた。まあ運動部で活躍するのなら、姫谷高校に来る事はなかっただろうし。

 「その件は分かった。もし9人のメンバーが集まらなかったらなんとかするから。なんだって、野球部は春季大会は出場できなかったしな。それにしても今年ぐらいは連敗脱出したいものだが・・・まあ、成績不振で解任ってことはないけどな」

 牧田はそういっていると、向こうから多賀が部活に出てきた。その後ろには晃司ともう一人いた。

 「よう来てくれた。うちの野球部の見学に! いろいろ聞いてくれたまえ」

 藤井監督は上機嫌だった。でも、そのあと一瞬で崩壊した、晃司の言葉に!

 「はじめまして一年の山本です」

 「えーと、同じく一年の村上です」

 「うちの野球部だけど、目標甲子園! なんてことは無理だから、とりあえず野球を楽しんでいこうというのが方針だ。だから、他の高校のように丸刈りしなくてもいいんだ。ところで君たちは野球が好きか?」

 その問いに晃司はこういってしまった。

 「すいません、野球のルールが・・・全く分からないです!」

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

引きこもりアラフォーはポツンと一軒家でイモつくりをはじめます

ジャン・幸田
キャラ文芸
 アラフォー世代で引きこもりの村瀬は住まいを奪われホームレスになるところを救われた! それは山奥のポツンと一軒家で生活するという依頼だった。条件はヘンテコなイモの栽培!  そのイモ自体はなんの変哲もないものだったが、なぜか村瀬の一軒家には物の怪たちが集まるようになった! 一体全体なんなんだ?

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

もしもしお時間いいですか?

ベアりんぐ
ライト文芸
 日常の中に漠然とした不安を抱えていた中学1年の智樹は、誰か知らない人との繋がりを求めて、深夜に知らない番号へと電話をしていた……そんな中、繋がった同い年の少女ハルと毎日通話をしていると、ハルがある提案をした……。  2人の繋がりの中にある感情を、1人の視点から紡いでいく物語の果てに、一体彼らは何をみるのか。彼らの想いはどこへ向かっていくのか。彼の数年間を、見えないレールに乗せて——。 ※こちらカクヨム、小説家になろう、Nola、PageMekuでも掲載しています。

ライト短編集

篁 しいら
ライト文芸
篁 しいらの短編集を纏めました。 死ネタ無し/鬱表現有り

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...