四番センター「やまもとこうじ」君

ジャン・幸田

文字の大きさ
上 下
8 / 11
新入部員は野球素人!

撃った! 三塁へダッシュ!(1)

しおりを挟む
 藤井辰巳は本来は日本史教諭であり、野球をした経験はあったが、補欠にすら入れなかった。そんな彼が野球部の監督をしているのは他に野球をした経験がある教師がいないからだ。そんな彼のモットーは「勝利よりも野球を楽しむ」であった。もっとも公式戦百連敗という不名誉? な記録を昨夏更新した。野球の試合の勝ち方などしらなかった。

 藤井監督の元に体育教師の牧田がやってきた。牧田は陸上部監督だが野球部の事が気になっている様子だった。

 「藤井先生、聞いたんだが新入生の山本晃司を入れようとしているそうだが」

 牧田はジャージ姿という今すぐにでも練習指導をしようとしている姿であった。まあ、ジャージが使い古されボロボロなのが生徒に疎んじられていたが。

 「そうだなあ、やっぱり新聞にほら紹介される時に少しは強そうに見えるだろう。三年のコウジが絶望的だからな。それに試合に出れる人数を用意したいんだよ。出来れば十一人集まればいいんだが。もし、足らなかったらその時は・・・」

 藤井は調子に乗っていた。頭の中では晃司が試合に出ている姿が見えていた。入学式の時、長身な彼を見ただけだというのにである。そのとき、晃司の身長は180㎝を超えていて目立って印象に残っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

引きこもりアラフォーはポツンと一軒家でイモつくりをはじめます

ジャン・幸田
キャラ文芸
 アラフォー世代で引きこもりの村瀬は住まいを奪われホームレスになるところを救われた! それは山奥のポツンと一軒家で生活するという依頼だった。条件はヘンテコなイモの栽培!  そのイモ自体はなんの変哲もないものだったが、なぜか村瀬の一軒家には物の怪たちが集まるようになった! 一体全体なんなんだ?

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ライト短編集

篁 しいら
ライト文芸
篁 しいらの短編集を纏めました。 死ネタ無し/鬱表現有り

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ロボ彼がしたい10のこと

猫屋ちゃき
ライト文芸
恋人の死に沈んでいる星奈のもとに、ある日、怪しげな二人組が現れる。 その二人組はある人工知能およびロボット制御の研究員を名乗り、星奈に人型ロボットのモニターになってくれないかと言い出す。 人間の様々な感情や経験のサンプルを採らせるのがモニターの仕事で、謝礼は弾むという。 高額の謝礼と、その精巧な人形に見える人型ロボットが亡くなった恋人にどことなく似ていることに心惹かれ、星奈はモニターを引き受けることに。 モニターの期間は三ヶ月から半年。 買い物に行ったり、映画を見たり、バイトをしたり…… 星奈とロボットの彼・エイジの、【したいことリスト】をひとつひとつ叶えていく日々が始まった。

処理中です...