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ラバーファマーは幼馴染

(5)誘惑

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 僕は一瞬戸惑った。早く帰らないといけないと思ったから。でも今日が金曜日だというのを思い出した。そうだ、その手があったと!

 「母ちゃん、俺だけど今日は急に職場の先輩に誘われたのでね遅くなるから。悪いけど帰るのが遅くなるわ!」

 家にはそんな言い訳の電話をしたが、母は仕方ないわね、あんまり飲んじゃったら飲酒運転にならないように自転車で帰っちゃだめよといわれた。そう、ウソをついたのだ。実際には近所のカナッペの家に行くというのに。

 カナッペは残っていた作業をしてから、僕と一緒に自宅にむかった。こんな形で彼女の家に行くとは思ってもいなかった。そのとき、女の自宅に行く事の重要性なんか考えていなかった。

 カナッペは母と二人暮らしだが、その母は入院中とのことだった。だから広い家にいるのは僕と彼女だけだった。その時まで彼女を女とは見ていなかったので、何ら感慨はなかった。

 「鴨下くん、濡れているのよね。お風呂先に入ってもいいわよ」

 言われてみればずっと外にいたから濡れていた。一応着替えは持っていたので、言葉に甘える事にした。カナッペの家の浴室は年季が入っていたが、追い焚き機能が付いているので少し温めてから入ることにした。その前に、あの毒マスク姿のままでカナッペがタオルとボディーソープを差し入れてきた。そしてこんなことを言った。あなたに着せるラバースーツを用意するからと。

 ラバースーツねえ、一体何だろうと考えたけど、その時まで興味なんかなかったからイメージなんか湧かなかった。結局のところあんまり考えずにカナッペについてきてしまった。その日は職場の先輩に仕事の事で叱責されてムシャクシャしていたので、精神状態が不安定でそうしてしまったのかもしれない。だから、幼馴染とはいえ行った事のない女の家、いや女としてみていなかったが、カナッペの家に来てしまった。それにしても、カナッペを高校を卒業してから会っていなかったが、あんまり地味だったので彼女の高校時代の姿が分からなかった。あるといえば制服の名札ぐらいだ。そう、彼女は僕にとってモブキャラの一人でしかなかった。

 三十分して脱衣所に出て、着替えたころにノックした。それで返事するとカナッペが入って来た。しかし、その姿に僕は驚いた。カナッペはインナー姿だったのだ。陸上女子の選手が着ているようなタンクトップとブルマーのようなものしか着用していなかったのだ。しかも、その顔は・・・

 「失礼だけど・・・君がカナッペ?」

 「そうよ! 失礼だわ! これが今の私なのよ! 知らなかったでしょ! いつも作業服姿だしね。あんまり見ていないじゃないのよ!」

 僕の目の前の、カナッペ、いや条辺佳代はメリハリのある女らしいボディと均整の取れた美人顔だった!

 「そんなに、綺麗だったの?」

 「そうよ! 学校に行っている時はわざと目立たないようにしていたからね。これが今のわたしよ! でも整形なんかしていないわよ! そうだ。私もお風呂の入るから居間でテレビでも見ていて! 大したものじゃないけどご飯も用意しているからね」

 佳代は僕が風呂に入っている間、ラバーを脱いでとりあえずハダカじゃない格好になってから食事を用意してくれていたようだった。なんて良い彼女なんだろうと思った。
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