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第二章・エリザベートと甲冑蟲
27.騎士の甲冑を纏うには(2)
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エリザベートは身体能力が高く、陸上選手としてそれなりに期待されていたのに中学校三年になってから突然剣道を始めた。近所で剣道教室があって、そこで経験者の悠亮と初心者のアオイと出会った。彼女が剣道を始めた理由はたまたま剣道の練習を見ていて見せられたからだ。戦うのに防具を着用するのがカッコいいとおもったからだ。あんな甲冑のようなモノを纏って戦う姿に魅せられたのだ。
そんなエリザベートの前に甲冑を纏った騎士が現れたのだから堪らなかった。しかもカッコいい! その騎士になれるのならもう何も怖くなかった。もっとも、彼女も気がかりなことがあった。異世界の転移してきたということは、もう二度と戻れないのだろうと。死んだので転生したわけではないにしても、元の世界では死んだことにされているのだろう。でも今は騎士になりたかった!
「シャーミさん。その甲冑生きているとの事ですがどうやって作ったのですか?」
「作る? その表現は違うわよ。甲冑はねえマスターを選ぶのよ! この甲冑は甲冑蟲といって遥か昔に作られた一種の生体なのよ。その生体はずっと眠っているんだけど、マスターに相応しい人間が現れると覚醒してくれるのよ。そしてマスターが死ぬか引退するまでずっと傍らにいるのよ、こんな風にね」
そういってミーシャが執務用のテーブルの下に隠れていた巨大なダンゴムシのようなモノをテーブルの上に載せた。それはなんとなく見たような気がした。
「それが甲冑蟲ですか?」
「ええ、そうよ。この甲冑蟲は私がさっきまで身にまとっていた甲冑なのよ。着用していない時にはこうして私の傍に離れずについているのよ。取りあえずは、エリザベートあなたの甲冑蟲を選ばないといけないわね。ちょっと待っていてね」
そうやって呼び鈴を鳴らすと外からさっきシャーミに同行していた騎士の片割れが入ってきた。
そんなエリザベートの前に甲冑を纏った騎士が現れたのだから堪らなかった。しかもカッコいい! その騎士になれるのならもう何も怖くなかった。もっとも、彼女も気がかりなことがあった。異世界の転移してきたということは、もう二度と戻れないのだろうと。死んだので転生したわけではないにしても、元の世界では死んだことにされているのだろう。でも今は騎士になりたかった!
「シャーミさん。その甲冑生きているとの事ですがどうやって作ったのですか?」
「作る? その表現は違うわよ。甲冑はねえマスターを選ぶのよ! この甲冑は甲冑蟲といって遥か昔に作られた一種の生体なのよ。その生体はずっと眠っているんだけど、マスターに相応しい人間が現れると覚醒してくれるのよ。そしてマスターが死ぬか引退するまでずっと傍らにいるのよ、こんな風にね」
そういってミーシャが執務用のテーブルの下に隠れていた巨大なダンゴムシのようなモノをテーブルの上に載せた。それはなんとなく見たような気がした。
「それが甲冑蟲ですか?」
「ええ、そうよ。この甲冑蟲は私がさっきまで身にまとっていた甲冑なのよ。着用していない時にはこうして私の傍に離れずについているのよ。取りあえずは、エリザベートあなたの甲冑蟲を選ばないといけないわね。ちょっと待っていてね」
そうやって呼び鈴を鳴らすと外からさっきシャーミに同行していた騎士の片割れが入ってきた。
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