「R18」わたしにゼンタイを着せないで!

ジャン・幸田

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序・戸惑う少女

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 世の中の犯罪者のなかには、そもそも何が目的なのか分からない場合がある。犬のように下駄箱から靴を失敬するもの、ただ自分のハダカを他人に見せつけて快感を覚える者などだ。ここでは、そのことは深く追求しない。これから語る事件は大抵の者にはわからないかもしれないことだから。

 ある朝の事。市内の女性A(19)が全身がスースーすることに気付いた。どうしたものかしら、気持ち良いけど、どうしたの? そう思って目を開けたら視界がピンクに染まっていたのだ! これってどういうことなのよ、そう思って自分の顔をさすってみたところ、何故か衣擦れの音がして変な感触があった。思わず起き上がると全身に軽い拘束感があった。

 一人暮らしの彼女が洗面台の鏡をのぞき込むと・・・ピンクの人の形をした何かがいた! 思わず彼女はのけぞると、その何かも同じように動くではないか。彼女の全身は包まれていたのだ。ピンクの全身タイツをいつのまにか着せられていたのだ! そして、洗面台にはこんなことが書かれたカードが置かれていた。

 ”快盗ゼット参上! 君の人間の姿を一時的に奪った! 君に着せたゼンタイは12時間しなければ脱ぐことはできない。せいぜい楽しみなさいゼンタイライフを!”

 なんなのよいったい! Aはそうおもったが、どうも全身タイツを着せられたようだ。そこで脱ぐためにどこかファスナーでもないかと全身を探っていたが・・・見つからなかった! いったいどういうことなのよ! そう思っていると、自分で触ることで変な気持ちになった。ゼンタイを着ているとなんて気持ちいいんだろうかと!

 そう思った彼女は横になって自分がおかしくなってしまうのを自覚していた。ゼンタイフェチになっていくのを・・・

 「いったいなんなのよ! それ!」

 その話を聞いたフリーターの優紀は呆れていた。最近、出没する”快盗ゼット!のことを! そう名乗る何者かは何らかの方法で施錠している室内に入りこみ、就寝中の女性を全て脱がしてゼンタイを着せて帰るのだという! 意味が分からなかった!
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