やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

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6.金色夜会

強引にしてしまった

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 チャイちゃんはこれから千葉の方に行くと言って駆け足でいった。彼女の話では千葉の親類の家にお泊りしている事にしているので、親類の家から野菜を持って帰ってアリバイ作りするそうだ。やはりこんなオールナイトのイベントに来るのは実家暮らしの若い女には難しいことかもしれなかった。

 だんだん人が少なくなって、この金色夜会もお開きになろうとしていた。ハンフリーさんと一緒に外に出る事になった。外に出ると東の空は明るくなっていた。そう今日も一日が始まろうとしていた。

 普段なら、このまま準備して何かを始めなければいけないと思うところだけど、今日は日曜日。普段ならこのまま眠っておこうと思うところだった。しかし今は、どこかよく分からないガード下にいた。

 周囲には金色夜会に来ていたのかもしれない外国人が騒いでいたけど、ここはいわゆるラブホ街、まだ眠っているような街だった。

 ハンフリーさんは結構遠い所から来ているのか、北に向かう長距離電車に飛び乗っていった。これから私たちも帰宅しようとしたけど・・・

 「彰さんはしんどくない? 休んでいきませんか?」

 昨日から初めての事ばかりで私はくたくたになっていて足がおぼつかなくなっていた。どうもアラサー女にとってなれないオールナイトは身体に堪えたようだ。とにかく休みたいと身体が訴えていた。

 そんな時、目に飛び込んだのが「HOTEL]の文字だった! そうだここで休めばいいんだと!
 
 でも問題があった、ここはラブホ街、休憩というよりもカップルが色々するところだよね、ここは! そんなところに行くのを彰は承諾してくれるのかな? 幸い、人通りも途絶え、歩いているといえばゴミを漁るカラスぐらいだった。

 わたしは大した決心をしたわけでもないのに彰に言ってしまった。休んでいきませんかと! もう、その時は身体の方がしんどかったからだ。足が前に進みたくなくなっていた。そんな勝手な事を言って優しい彰ですら拒否されるかもしれないと思った。
 改札の前でしばらく沈黙の時間が過ぎた後、彰は元来た道を戻ろうと言ってくれた。彼は聞いてくれたのだ!
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