やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

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7.彰と嘉奈と

君と・・・

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 彰はさっきのボストンバックからあの青色と桃色のゼンタイを取り出した。それには袋状のものが付いているのが分かったけど、その場所は・・・股間付近だった。それってまさか?

 「嫌なら嫌と言ってほしいし、拒否してもいいけど、君と僕とでやってくれないかな? 実は、僕は女体恐怖症で・・・」

 女体恐怖症? なによそれって? あれだけ私の身体を弄べたというのに、何言っているのよって思ったけど、もしかするとあれってゼンタイを着ていたからまさか?

 「それって、普通のエッチが出来ないってことなの?」

 そう私はいったけど、考えられる答えといえば、彰は何らかのトラウマで通常のエッチが出来なくなったようだ。ただゼンタイを着て触れ合うのは問題ないのに・・・そう考えると彰がかわいそうになってきた。

 「そうだ・・・だから君が望んでいたことをしたかったんだけど・・・できなかったんだ。最初は精神科に行こうと思ったけど、一層の事こうした方がいいんじゃないかと・・・」

 どうやら彰は私と契りを結びたいという事らしかった。でも、いきなりは出来ないのでゼンタイを着たうえでやろうと。それにしても、それって変態じゃん! まあ、わたしもゼンタイフェチになろうとしてなってしまったからいいか!

 「分かったわ、でも本当にあたしで良いの? 年上で性格は平凡で華がないといわれる女で!」

 「いいんだよ、君が! わからないけど最初に出会ったときにぶつかったときに感じたんだよ。神様がめぐり合わせてくれた人だと。だから一緒に・・・」

 そこからの言葉はあまり必要としなかった。私はシャワーを浴びに入っていった。そして念入りに洗いながら考えていた。こんなことでいいんかと! 本当に私でいいの? しかも最初はゼンタイを着てやりたいなんて! そんなカップルってこの世界に他にもいるのかよ! そんな怒りに似た思いが吹き上がっていた。

 もっとも、彼を好きになった弱みがあるので従ってしまったのは私だった。ゼンタイフェチになろうと思ったし、これからゼンタイでエッチをやろうとしている。でも、それが運命なのかもしれないと感じていた。

 こうして彰と私は結ばれようとしていた。そんな風に結びつけたのがゼンタイとの相性だと思うと複雑な思いを抱いてしまった私だった。

  確か「立て食う虫も好きずき」という言葉があるけど、どうしてこの人にこんな人が? というカップルは結構見かける。世間から見れば彰と私もそんな風にみられているかもしれない。そういうことは、私が彰と恋人になれた理由はやっぱりゼンタイだったんだ!
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