やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

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5.ゼンタイでスリスリ

私ではないような生き物になった気が・・・

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 スタジオ「我楽多」の狭い部屋には大きなエアベットが二つ置かれていた。そこでやることは、ずばり”ゼンタイでスリスリ”だ! 私がネットで調べたところでは、ゼンタイを着た者同士がスキンシップをすると、普段の肌と肌の触れあいでは感じる事が出来ない異次元の快楽を感じるという事らしい。

 それにしても、これをフツーの格好でしたら着衣のままでも変態というかただのエッチなスキンシップになるのは間違いなかった。ましてや、裸でやったら・・・ただのスワッピン・パーティーでしかなかった(一緒のことかもね)。

 なのにゼンタイを着ている者同士の場合、もはや人間の姿をしていないので違和感はあっても、幾分抵抗感はないのかなあと思った。

 早速、参加者の中からエアベットの上に寝っ転がるものがいた。男性同士、女性同士でスリスリし始めるのもいたけど、中にはさっきのゼンタイカップルがし始めていた。

 その光景はちょっと前に見たゼンタイのエッチでフェチな動画の男女の営みそのものだった。そういったものは、私はヴァージンだからしたことは無いけどエッチの前の前戯のようなものだった。その時、私の心の中の自分はあんな風にやってみたいという欲求が立ち上がりつつあった。彰はどこなのよ?

 わたしは周囲を見ると、テーブルの上に用意された寿司折りを他のゼンタイ男と談笑しながらつついていた。

 「ミャイ(私の事ね)ちゃん、ちょっと腹ごしらえしない? そこの紙コップにお茶でもお酒でも注いで飲んでね。そうそう自分の名前を書いてね」

 アチャさんは「アチャ」と書いたコップでビールを飲んでいた。相手の男を見ると中年の腹が出ていて、まるで七福神の布袋様みたいに貫禄があった。

 「初めてだね、私はチャオ君の知り合いのハンフリーだ。今日、初めてなんだよね君! ゼンタイの着心地どう?」

 ハンフリーさんの質問に私は答えに困ってしまった。正直な事をいっていいのかなあと。はっきり言うと変態な自分をさらけ出しそうだったからだ。あの官能的ともいえる気持ち良さをなんといえばいいのかなと。

 「そうですねえ、なんか私ではないような生き物になった気が・・・」

 わたしは、その時こんな想像をしていた。いまなら彰ではなくアチャさんとあんなことやこんなことも出来るような気がしていた。
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