やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

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5.ゼンタイでスリスリ

32.挨拶だわね

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 彰が使っているアチャという名前は、ゼンタイ仲間の中で呼び合うハンドルネームみたいなものだ。たしかに本名を言うと、やっぱり都合悪いという事らしい。それにしてもアチャとは・・・まあ、彰を掛けたのかもしれないけど。

 私がゼンタイフェチになろうと思ったのは、やっぱり彰と楽しみたかったからだ。それにしてもゼンタイでスリスリ? は本当になんのこちゃである。

 そもそも男性経験(それよりも彰と付き合っているのにファーストキスもまだなのよ!)というものがないのに、いきなり彼氏のフェチに合わせようという私も自分で言うのもなんだけど、やってしまったという感じであった。フェチというものが分からないというのにである。

 だから、ゼンタイ姿で男女入り乱れてスリスリするというのは・・・なんていったらいいのだろうか? そんなことをして平気なのは変態だからなの?

 そう思っていたけど、ここまで来た以上はどんなものなんか体験するしかないと思った。だから私は勇気を出して最初にいた部屋に戻っていった。

 その部屋にいる人たちはみんなゼンタイ姿になっていた。柄物、一色だけのもの、とにかくいろんなデザインのゼンタイで身体を包んでいた。それに体形も中年なのかボディラインが崩れたような者からマネキンのように美しいプロポーションの者までいた。

 その中から、物凄くリアルな蛇柄の女性があいさつし始めた。アルルさんだった。

 「いつものお約束ね! スリスリするときには必ず相手から許可をもらってね。だから、いきなり胸を触ったり股間を触ったりするのは絶対ダメよ! 今日のメンバーには居ないようだけど、そんな痴漢まがいのようなことをしたら今後一切出入り禁止だからね。それでは皆楽しみましょう!
 その前に恒例行事ね! 記念写真を撮りましょ! 自分の写真が欲しい人はダンさんにスマホやカメラを預けてちょうだい!」

 そういえばアルルさんのご主人のダンさんはどこにいるのかなと思うと、部屋の机の上に発注書だの請求書だのを広げてデスクワークをしていた。その恰好は・・・ごく普通の服装だった。彼はゼンタイを着ていなかった。

 記念撮影なので、撮影希望の者はマスクを被り始めていた。わたしはそーと彰の横に入っていった。彰ことアチャさんが着ているゼンタイは唐草模様の特色あるゼンタイだった。しかも怪しげな光沢があるので、なんか触りたくなってしまった。私、やっぱりゼンタイフェチになりつつあるの?
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