やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

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3.フェチなるものとは

20.彰とお食事.3

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 彰が良い点はいくらでも上げる事が出来た。酒は嗜み程度だしタバコはすわない。ギャンブルは宝くじを買うぐらいでパチンコや競輪・競馬はしない。それに趣味が料理なので、結構おいしいものを作れるから楽しい時間を過ごせた。でも、その分私が下手に炊事しないように努力しないといけなかったけど。

 そういった良い点が分かっていったのは、長く付き合っていった後々の事であったけど、この時の私の頭の中は疑問符だらけだった。彰が付いてきてほしいと言ったイベントの参加者っていったい何者なの? 変態という範疇に入るのは確かなようだけど・・・

 「それにしても、わたし何か持っていくものあるかしら・・・」

 わたしは・・・拒否するどころか、行くといったようなものだった。

 「君が用意するものは、着替え位はいるかも。それと貴重品はあまり持っていかない方がいいよ。でも金色夜会は20歳以上じゃないと入場できないから、身分証明書を何か一つ持ってきて」

 彰はそういうと、コーヒーをゆっくりと飲み干していった。その間に何を言うのかを考えているようだった。私は、そんな変なイベントに彼女を誘おうとしている彼氏っていったい何だろうかとおもっていた。もっとも、完全にあてはまる事ではないが、自分の両親の事を思い出していた。

 私の父はパチンコが趣味という男だ。まあパチンコに月に何十万円も注ぎ込むような経済力はないので、いつも1円パチンコ、中には50銭パチンコ(なんだかなあ)といった安く遊べる台で遊んでいた。

 そんな父に対し、母は最初はパチンコ嫌いで子供のころは怒ってばっかりだったけど、いつの間にか父に手懐けられたのか、最近は一緒にパチンコをしていたりする。母は父と趣味が同じになってしまったということだ。やっぱ女は男と同じ時間を過ごすために同じ趣味に・・・って、フェチも同じってことなの?

 「まあ僕のフェチなるものを君にずっと隠しておくのが申すわけなかったんだ。まあフェチってどんなものか見ているだけでいいから。嫌だったら遠慮なく言ってもいいし帰ってもいいから」

 彰は、そのあとフェチに対する自分の想いを熱く語ってくれたが、私の頭の中には・・・入ってこなかった。でも、映像を見ただけで私の中にいるもう一人の自分が頭をもたげ始めているような気がしていた。

 
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