やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

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2.いったい私は何を求めているのよ

08.困惑.1

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 私は結局その日は彰の家で少し休んだ後帰宅した。まあ、そもそも飲み会も予定外に上司に付き合わされたものだったから、世間の女が彼氏と会うときに履くであろう「勝負下着」なんてものをしていなかったし、そんな事にならなくて良かったのかもしれない。それに彰はそんな肉食系男子でもないか。

 そう思いながら古いアパートの二階にある自分の部屋を開けた。そこには数少ない家具が出迎える明かりなどついていない寂しく冷たい場所であった。都会暮らしすれば仕事も恋もあるといって上京してからずっと暮らしているけど、なんら変わらないところだ。

 私は、布団を広げるとその場に大の字に寝っ転がった。そんな姿は彰には絶対見られたくないものだった。そしてさっき彰の部屋で見たゼンタイの事を考えていた。それに彰がはまっているというのが上手く心で繋がらなかったのだ。

 布団の上で数少ない女友達から聞いた彼氏の性癖の事を思い出していた。そういった話は女の彼氏自慢であるけど、中には本当なのかというものが少なくなかった。エッチの最中にああいったプレイを求めたりされたとか、そのためにコスプレさせられたといったものだ。その時私は一つの考えが思い浮かんだ。もしかして彰はゼンタイを着てエッチな事をしようというのではないかと?

 それで、わたしは起き上がりスマホで検索してみた。するとゼンタイに関する様々な情報と画像が目の前にあらわれた! 
 その画像はいままで私が知るはずもなかった異世界というか冥道魔道というか、なんというか・・・とにかく表現できない世界だった。

 その画像の中で多くの男女がゼンタイを着ていたが、色もカラフルだし柄もバリエーションがあって、まるでアートのようだった。わたしがもしもっと早く出会っていたらデザインしたいと思うような綺麗なものもあった。それで私はゼンタイの画像を大量に貪りつくように見つめてしまった。気が付いたときには午前二時だった・・・

 三十前の女が何夢中になっているのよと自己嫌悪に襲われたので、はやく寝ようと思った。いくら明日は土曜日、休みだからといっても夜更かしは良くないと言い聞かせて寝ようとした。しかし、わたしはやり忘れていた事を思い出した。

 そうだ、ゼンタイを着てするフェチというのは一体何があるのだろうか! 調べないといけない! そう思ったが、もう大して若くもない私の肉体の方がダウンしてしまい、そのまま眠りの世界へと誘われてしまった・・・
 
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