やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

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1.出会いそして

06.告白.3

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 別れた? その言葉にわたしはドキッとした。出会いがあれば別れもある。それは世の中の道理であるし、物凄く仲の良い夫婦だってどちらかのパートナーが亡くなればそれで終わりである。しかし彰が言っているのは性格の不一致ではなく性癖の不一致で別れたという意味らしい。

 私はふと友人から聞いた話があった。それは具体的に何をしたのか分からないけど、いわゆる夜の夫婦生活でパートナーだった男から、どんでもないエッチを要求されてから関係がギグシャクして結婚半年で別れたという女がいたということだ。

 まあ他にも色々と問題があったのかもしれないけど、やっぱり相手とのコミュニケーションの方法として二人の想いが一致するのが重要なんだろうなと思ったものだ。もっとも私はヴァージンなので具体的な事を経験した事なんかないけど。

 それはともかく彰と別れたそんな罰当たりな女はどうもゼンタイに彰がはまるという事についていけなかったのかもしれない。一体全体どういうことなんかは分からないけど・・・もしかすると、ゼンタイというものは引いてしまうようなものではないのよ?

 「ゼンタイを理解してくれ、といわれても・・・でも、こういった隠し事はよくないよね? そしたら告白してくれてうれしいわ・・・でも、なんていったらいいんだろうね?」

 私は迷っていた。彼がゼンタイに性的興奮を感じるという事ってなんなんだろうかと? 私はその時まで知っていたそんなフェチなことって女装とか役になりきるといった事ぐらいしか思いつかなかったから・・・わたしは意を決してこういってみた。

 「あなたが好きだというそのゼンタイっていうもの、もう少し教えてもらえないかな? さっき見せてくれた番組のMCも結構いけるといっていたようだし・・・」

 私はこの時最初にゼンタイの事に触れていた見たことある番組はこれだったということに思い出した。たしか、変なもんだと見たのはチャンネルを変えているときにちらっと見ただけで・・・そう、後半部しかみていなかったんだと。もし最初から見ていたら、その時の私はどう思ったのかしらと。

 もしかすると、拒否反応を起こして見るのも触るのも嫌いになっていたのかもしれない。しかし、今は違っていたのだ。初めてまともに付き合った男が好きだという事を知っていたからだ。だから、私はなぜ彼が心奪われたというのを知りたかった。
 それよりもまして、重要なのは・・・こんな玉の輿といえる男をみすみす捨てるなんてできないということだ! いきら、この世に男はたくさんいるといっても私みたいな女を好きになってくれる人はいないかもしれないからだ! 私がしないといけない道はひとつしかないとおもった!
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