やっと出来た彼氏がゼンタイフェチだったので私もゼンタイフェチになることにした。

ジャン・幸田

文字の大きさ
上 下
5 / 57
1.出会いそして

04.告白.1

しおりを挟む
 彰は隠していたものを暴かれ動揺しているのが表情にあらわれていた。もっとも、後で彰がいうにはいつかは私に言うつもりだったという、自分の性癖であるフェチがあることを・・・

 「その布はねえ・・・君知らないかな? 全身タイツというのを?」

 全身タイツ? わたしの頭の中にはある場面が蘇っていた。たしかなんかの深夜番組で、世の中の変な人や物を紹介する番組があって、そのなかで全身タイツというものが紹介されたことがあったような記憶が蘇ってきた。それって確か・・・

 「なんか聞いたことがあるわよ。たしかMCが絶賛していたような・・・あと、テレビの仮装大賞で似たようなものよ着ている人をみたことあるけど・・・」

 とにかく私は記憶の海から全身タイツの事を取り出そうと必死だった。その日まではっきりいって興味などなかったからだ、その衣装については。ましては、それを着てなにかを楽しむなんて想像すらできなかった。

 「そうだよねえ。これからする話を聞いてくれない? もし、聞いて僕の事が嫌いになったときは・・・」

 彰の言葉に私はギョッとした! こういった話になったとき大抵の男はトンデモない事をいいだすような気がしたのだ。私は彰がまともに付き合った初めての男なので、どういうふうに付き合ったらいいのか手探りだったけど、なんとなく想像は出来た。まともな話ではないんだと。

 「ええ、いいわよ。それにしてもこの全身タイツって・・・何するためにここに置いてあったの? 見たところ・・・忘年会の余興にでも使うの?」

 わたしはふとこんなことを言った。このように顔が見えない衣装ですることといえば、宴会芸ではないかと思ったからだ。もっとも漫画なんかで酒の席で受けを狙って芸をするなんて話を読んだことがあるけど、わたしはそんな忘年会のような飲み会に行ったことないので、うまく想像できなかったのだ。

 「そういった使い方もあるけど・・・ちょっとこの映像をみてくれないか?」

 そういって彰は書斎から一枚のディスクを持ってきてソファーの前に置かれた大型液晶テレビに映し出した。この時には私の酔いは相当覚めていた。これから知らされることに備えないといけないという本能が働いたのかもしれない。可能な限りシラフにならないといけないというような。

 映し出されたのは何かの番組のようだった。そこには若い女、たぶん大学生のようだったけどなぜか顔をはっきりと写していなかった。ただ痩せ型でなんとなく私に似たような体形だった。すると、次の瞬間驚くような場面に切り替わったのだ!

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ゼンタイリスト! 全身タイツなひとびと

ジャン・幸田
ライト文芸
ある日、繁華街に影人間に遭遇した! それに興味を持った好奇心旺盛な大学生・誠弥が出会ったのはゼンタイ好きの連中だった。 それを興味本位と学術的な興味で追っかけた彼は驚異の世界に遭遇する! なんとかして彼ら彼女らの心情を理解しようとして、振り回される事になった誠弥は文章を纏められることができるのだろうか?  

転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー

ジャン・幸田
キャラ文芸
 いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?  徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

ゼンタイフェチ女ですが受け入れてくれといいませんけど

ジャン・幸田
キャラ文芸
 私はミチル。どこにでもいるような女の子だけど、家族に絶対言えない秘密があるの。ゼンタイフェチなのよ! 毎晩、家族が寝静まった後はゼンタイに着替えてお楽しみしているのフェチに目覚めたのよ。しかもフェチ友達がいっぱいいるのよ。変態? そんなことお構いなしよ! 今日も楽しんじゃうわ、ゼンタイでいろんなことを! *いわゆるゼンタイ(全身タイツ)好きな主人公とその仲間との物語です。そのようなものが嗜好に合わない方は閲覧をお控えください。なお、特定のモデルはいない空想の物語ですので、どこかの誰かに似ていても気のせいです。

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

人形の中の人の憂鬱

ジャン・幸田
キャラ文芸
 等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。 【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。 【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

引きこもりアラフォーはポツンと一軒家でイモつくりをはじめます

ジャン・幸田
キャラ文芸
 アラフォー世代で引きこもりの村瀬は住まいを奪われホームレスになるところを救われた! それは山奥のポツンと一軒家で生活するという依頼だった。条件はヘンテコなイモの栽培!  そのイモ自体はなんの変哲もないものだったが、なぜか村瀬の一軒家には物の怪たちが集まるようになった! 一体全体なんなんだ?

処理中です...