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宮廷パーティーにて

処女妻は令嬢のまま(1)

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 悲劇の皇太子、処断された皇太子。それらは後に世間における哲彦の形容詞だ。しかしわたしからすれば、その時もその後も彼は変態帝国軍人だった! 本妻や愛人だけでなく、何人もの女性を人形にしてしまったからだ!

 いまこうやって纏っている人形服は不思議なものだった。生まれた時から人形として生きてきたと思わしてくれるほど気持ちいいからだ。それにしても人形服の触り心地は麗しく弾力があるのに、それでいて鞣した皮のように丈夫なのかの理由は知らなかったけど。

 「どうだい、気持ち良いだろう! 大人の女性になったみたいで!」

 哲彦は少しバカにするかのような言葉をかけてきた。たしかに人形の啓子と同じ体形になっていたから、胸も豊満で女性らしい身体で・・・それって子供なんだといいたいわけなの? そりゃ十五歳だから当たり前よ! なんて答えればいいのよ! 愚痴にしかならないってば!

 「大人ですか? わたし・・・いやわたくしはまだその・・・契りエッチをしていませんけど?」

 ああ、なぜなのよ! そんな勘違いをしていないってばって! よりによって変態帝国軍人のあいつに言う事じゃないってばって! 誘っていないってばッて! わたしは歯ぎしりしたかったけど、この人形服のお面ってどんな構造になっているのかわからないけど、わたしのお口の中がなくなってしまったかのような感覚になっていた。

 「契りか? まあ、そうだな。君とは法律上は夫婦だが、そんな関係になるわけにはいかないからな。あの啓子の中の彼女と結ばれてしまったからな!」

 そういう哲彦の表情はノロケそのものだった! なんなのよ! 思いきり叩きたいわよ! もう!
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