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なによそれ!

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 モルゲッソヨ、それはこの国では「私は知らねえ」という意味だった。しかし、いまではみんなそれが口癖だった。

 「いまどうなっているのですか?」

 「モルゲッソヨ!」

 「あなたこれからどうするのですか?

 「モルゲッソヨ!」

 「これからどうなるのですか?

 「モルゲッソヨ!」

 「たすけてくれませんか?」

 「モルゲッソヨ!」

 まあ、そんな感じだった。もっともそれは少し前まで存在した世界各国の政治家にいえる事でもあった。自分の国は一番、自国民を煽れば支持も集まり政権を続けられるなんていう人たちだ。だから侵略者にやられてしまうのは当たり前だった。

 取りあえず、目の前にいるのは変態宇宙人だった。全身が銀色のゴムみたいなものに覆われていて、頭に被り物をしていた。よくあんな恰好で見えるもんだといえた。その姿をみて美紀は笑いこけていた。もう彼女の精神状態も限界のようだった。

  「モルゲッソヨ! あんたさっきみたわよ! そこらへんにいた人だったのよね? 侵略者になったわけなの? なんだか恰好悪いわよ、は、は、はああは・・・」

 そいつが侵略者の手先にされた元地球人だ。もう、この世界で日本人やアメリカ人や韓国人なんていっていられなくなっていた。もう、そんな地球人類の国なんて存在しないことに気付いていたし。

 そのコンドームみたいなものを被った奴はなにかモスキート音のような音を出していたが、聞きにくかったというよりも意味が分からなかった。そいつの誕生する方法を聞いていたから、時は一刻も争っているという状況も理解していた。

 「なによそれ! あたしはならないわよ、そんな恥ずかしい姿に!」

 美紀は抵抗しようとしていたが、あいつに狙われたら逃げるしかないのに腰を抜かしていた。あれではだめかもしれなかった。

 「美紀! 逃げるのよ!」

 そういいながら私と他のメンバーは連中から逃げるしかなかった。美紀を助けて逃げたかったがあいつらが五体集まっていたから諦めるしかなかった。彼女自身でどうにかしてもらいたかった。でも出来なかった。

 「や、やめてよ、さっきの女みたいになるのは!」

 美紀は知っていた。これから起きる事を。美紀を取り囲んだモルゲッソヨたちは、儀式を始めようとしていた。仲間を増やす儀式を!
 
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