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第二章・和柄ちゃん誕生!

ゼンタイたち(2)

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 緋沙子は目の前の人たちが着ているゼンタイの虜になった事を自覚していた。ああ、いますぐ着たいけど無理よね、そう思っていたら思わぬことを言われた。

 「よかったら、あなたも着てみない?」

 思わぬことを言われ緋沙子は天にも上がる思いだった。しかし後ろから来たゼンタイ男がこんなことを言った。

 「今日は体験会じゃないから出来ない事いっちゃいけんよ、ヘレンさん」

 どうやらヘレンさんというのが、そのヒョウ柄ゼンタイ女の名前のようだ。もっとも、それは本名ではないが。

 「そうだね、興味があったらと思っていったのよ。ところでどれぐらい興味があるの? うちの会では時々体験会があるんだけど、希望するならSNSでDMしてくれたらいいよ」

 そう言われたがその時緋沙子はSNSは何もしていなかった。それはネットで悪口だのいじめだのがあるのを聞いて恐ろしかったからだ。

 「すいません、わたしSNSやっていないのですよ! どうすればいいのですか。それにしても珍しいですよね、いまどきしていないなんて」

 そう、緋沙子はあまり人づきあいがなく友人もほとんどいなかった。都会の中で孤立化し仕事場とアパートを往復するだけの毎日の繰り返しをしていただけだった。

 「いいんよ、そしたら一緒に来ない? 明日仕事かもしれないけど打ち上げがあるけどついてこれる?」

 どうもヘレンは緋沙子にゼンタイのなにかの素質があることを見抜いているので、逃すまいと勧誘しているようだった。その様子を見て他のゼンタイ女の一人がこんなことをいっていた。

 「あーら、ヘレンさんたらスカウトにかかっているわ」
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