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先に領有した者の権利である!

一触即発

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 202X年、とある国同士で長年問題になっていた国境紛争がやばい事になった。両国政府とも国民の内政上の不満を逸らすために事態のエスカレーションを選択してしまった。

 「大変な事になったものですね」

 紛争になっている無人島そばのリゾート地に自衛官が大勢詰めていたが、そこに入ることを許された記者見習いの女は呑気な事をいったので、先輩から注意されてしまった。もっとも、現場近くに行ったからといっても特ダネは掴める保証はなかった。せいぜい、現地でインタビューするぐらいが仕事だった。

 「外交交渉も詰んでしまったようだし、一触即発だな」

 このとき、無人島の周辺海域には両国の海上兵力が終結し対峙していた。もうどこも仲裁しとうとする国もなく、なるようにしかならない状況だった。そのとき、無人島の周辺海域が真っ赤な光に包まれたかとおもった瞬間、巨大な円盤が出現した。

 「な、なんですかあれ?」

 「知らん! とにかく行くぞ!」

 二人の記者は会見場に急いだが、そこにいたのは茫然自失としている報道官だった。

 「なにが起きたのですか?」

 「りょ、両軍とも抹殺されてしまった! あの島をずっと昔から占有していたと主張する・・・宇宙人に・・・」

 その場にいた誰もが訳が分からないという顔をするしかなかった。出現した円盤に双方の海上兵力は総攻撃をしたが、あっという間に敗北した。彼等には人類が所有する兵器など意味がなかった。
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