ノストラがいた夏の日には・・・

ジャン・幸田

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1999年春

注意書

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 その時気づかなかったが、大学の構内にはこのような張り紙があったという。”キャッチセールスと宗教の勧誘には注意するように”と。

 前者は喫茶店などに誘って高額な商品、たとえば英会話の教材などを購入を勧誘するもの、後者は宗教団体に勧誘するものであった。特に後者は新入学で不安定な精神につけ込んでやるというものだ。前者は経済的破綻をもたらすし、後者は色々と問題が懸念されるというものだ。

 その数年前にあるカルト教団がなんとかという教祖の感情のままに大規模なテロをいくつも起こしたというので、大学だけでなく社会全体が危険視していた。しかし、他にも数多くの宗教団体があるし、まともに活動しているところも少なくないので、全て禁止しているわけでなかった。

 僕はその時、大人たちがそんなことを思っていたのは知っていても自分の身に起きるとは思っていなかった。なにか別世界の出来事のように思っていた。もっとも、進学で大学に通うために引っ越した町も別の国にやってきてしまった感覚であったが。

 そんな注意書があるのも気が付かなかった僕は彼女の勧誘に乗ってしまった。実際、僕は放課後にそのチラシに書かれていた住所のところに向かってしまった。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

四季
2024.05.18 四季

1話目を読みました。

作品の時代背景を感じさせてくれる描写からの幕開けで、物語がどう展開していくのか楽しみになる感じでした。
ワクワク感が良いですね!(^ー^)

解除

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