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(6)二人の逃避行
見るに忍びないので
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目の前にいる志桜里のハダカを見たことは何度もあった。幼い頃はフツーに着替えを見ていたのだ、互いに異性と自覚し始めてから見たことは無かった。自覚したのは実は志桜里のアソコを見てしまったからだ。
俺が立ちしょんをしたときのことを思い出した。記憶はいつか定かじゃないけど、たぶん小学校には上がっていたと思う。なぜか志桜里が真似をしようとしたのだ。でも女なので出来るわけもなくそのままひっくり返ってしまって、アソコを直に・・・男と女では身体の構造が違うと認識してしまった。それからはなかったのだが・・・
何故そんなつまらない事を思い出したからというと、志桜里がこう切り出したからだ。
「弘樹くん。私の女の部分をお医者さんと両親以外に見たのはあなただけだと思うわ。だってそうでしょ、私たちは従姉弟なんだから」
そういって志桜里は浴衣の帯を緩めた、彼女のハダカを見た時、俺は息をのんでしまった。彼女の身体は・・・傷だらけだったからだ。
「志桜里ちゃん・・・大丈夫なの、痛くないの?」
志桜里の胸と腰には大きな裂傷の痕跡があり、無数の傷が身体の至る所にあった。また両手両足にも痛々しい傷があった。ほぼ全身に傷があった。それをはっきりと見たのは初めてだったのだが・・・
「正直に言うと痛いわ。身体だけでなく心も。私だって女の子じゃないの。こんなに傷だらけの身体になって。でも生きて行かないといけないのよ、こんな身体でも女になれるわよね」
そういって志桜里は俺にすり寄ってきた。その時女になれるわよねという彼女の言葉の意味を考えていた。女ってつまりは・・・
「志桜里ちゃん、見るに忍びないよ、忍びないので・・・」
そう言ってから俺は彼女を抱きしめていた。ハダカの彼女の胸に俺の顔が当たったので、彼女の鼓動が早くなっているのがわかった。そして彼女の柔らかな肌と温もりも、でも胸の傷跡は醜く固くなっていた。
「そうよね、こんな身体じゃね。でも抱きしめていてくれないかな・・・ここから先にすすんでもいいわよ」
先にすすんでも? それってつまりはエッチなこと? 俺は何を意味するのか分かったが、その先にいくために川を渡る事は決心がつかなかった。その時俺はチェリーだったので、具体的にどうリードすればいいのか分かっていなかった事もあったが・・・
「それってつまりは?」
「無理しなくてもいいわよ。私も正直怖いから。無理矢理手籠めにされても構わないけど、出来ないのならいいわよ。いまの私の身体じゃ耐えられないかもしれないからね、ロストヴァージンする痛みに」
やっぱり志桜里はそっちの大人になりたかったと分かった。でも、やっぱりできなかった。彼女の息使いが不安定になっていたから。そのままするのも俺も怖かった・・・
結局、その晩は二人一緒に寝たが一線を越える事はなかった。でも志桜里の寝顔は可愛かった。その次の日は何事もなかったのように帰宅したけど、一つだけ謎があった。志桜里の妹の香央理はどこに行っていたのかという事だ。彼女の方が先に大人の女になっていたのはかなり後に知った事であったが。
高校を卒業した後、志桜里とは親戚が集まる場ぐらいしか会う事がなかったので、元の従姉弟の関係に戻っていたが、基美の着ぐるみを着た彼女と再会してから、その関係が変わり始めることになった。
俺が立ちしょんをしたときのことを思い出した。記憶はいつか定かじゃないけど、たぶん小学校には上がっていたと思う。なぜか志桜里が真似をしようとしたのだ。でも女なので出来るわけもなくそのままひっくり返ってしまって、アソコを直に・・・男と女では身体の構造が違うと認識してしまった。それからはなかったのだが・・・
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「弘樹くん。私の女の部分をお医者さんと両親以外に見たのはあなただけだと思うわ。だってそうでしょ、私たちは従姉弟なんだから」
そういって志桜里は浴衣の帯を緩めた、彼女のハダカを見た時、俺は息をのんでしまった。彼女の身体は・・・傷だらけだったからだ。
「志桜里ちゃん・・・大丈夫なの、痛くないの?」
志桜里の胸と腰には大きな裂傷の痕跡があり、無数の傷が身体の至る所にあった。また両手両足にも痛々しい傷があった。ほぼ全身に傷があった。それをはっきりと見たのは初めてだったのだが・・・
「正直に言うと痛いわ。身体だけでなく心も。私だって女の子じゃないの。こんなに傷だらけの身体になって。でも生きて行かないといけないのよ、こんな身体でも女になれるわよね」
そういって志桜里は俺にすり寄ってきた。その時女になれるわよねという彼女の言葉の意味を考えていた。女ってつまりは・・・
「志桜里ちゃん、見るに忍びないよ、忍びないので・・・」
そう言ってから俺は彼女を抱きしめていた。ハダカの彼女の胸に俺の顔が当たったので、彼女の鼓動が早くなっているのがわかった。そして彼女の柔らかな肌と温もりも、でも胸の傷跡は醜く固くなっていた。
「そうよね、こんな身体じゃね。でも抱きしめていてくれないかな・・・ここから先にすすんでもいいわよ」
先にすすんでも? それってつまりはエッチなこと? 俺は何を意味するのか分かったが、その先にいくために川を渡る事は決心がつかなかった。その時俺はチェリーだったので、具体的にどうリードすればいいのか分かっていなかった事もあったが・・・
「それってつまりは?」
「無理しなくてもいいわよ。私も正直怖いから。無理矢理手籠めにされても構わないけど、出来ないのならいいわよ。いまの私の身体じゃ耐えられないかもしれないからね、ロストヴァージンする痛みに」
やっぱり志桜里はそっちの大人になりたかったと分かった。でも、やっぱりできなかった。彼女の息使いが不安定になっていたから。そのままするのも俺も怖かった・・・
結局、その晩は二人一緒に寝たが一線を越える事はなかった。でも志桜里の寝顔は可愛かった。その次の日は何事もなかったのように帰宅したけど、一つだけ謎があった。志桜里の妹の香央理はどこに行っていたのかという事だ。彼女の方が先に大人の女になっていたのはかなり後に知った事であったが。
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