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(4)弘樹の美少女マスク体験!

着ぐるみ撮りが着ぐるみの内臓に

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 一週間後、成海先生のメールにあった工房の前に俺はいた。そこは下町の商店や工場と住宅地が混在したところにあった。
 その工房「アイリス製作所」は美少女着ぐるみやコスプレ衣装などの製作者として有名なところで、着ぐるみ愛好者やコスプレヤーの間では「神」といわれているところだった。

 その日は八月も終わりの平日。猛烈な残暑の日差しがアスファルトを焼き、熱風が容赦なく俺をいたぶっていた。その時着ていたジーパンとTシャツは汗でずぶ濡れになっていた。結構最寄駅から遠く、歩くのもしんどいぐらいだった。そうなったのも、俺はその時・・・あんまり寝てなくて疲れていたからだ。金欲しさに深夜の工事現場のバイトの帰りだった。

 「ごめんください! 成海先生の紹介で来た橘高弘樹と言います。相川さんはいらっしゃいますか?」

 俺がドアフォンに話しかけると奥から近づいてくる姿があった。

 「おお、いらっしゃい! 先生から聞いているよ。取りあえず中に入って! 暑かっただろう!」

 相手はずんぐりとした男で、ネット上では「アイリス製作所」の主宰者として、有名な相川成正だった。もちろん素顔を見るのは今日が初めてだった。彼の工房が作る美少女着ぐるみマスクは最高級で、オーダーしてから納入まで半年という噂があるほどだった。

 「先生から聞いているよ! なんでも先生の希望で内臓モニターになるんだって? そういうことだから・・・とりあえず脱いで! 採寸するから」

 俺は何のことなんかと思ったが、どうも俺を真里亜の内臓にするために必要だからという事のようだった。いままで俺は内臓が男かもしれない美少女着ぐるみを何体も撮影してきたが、まさか本当に自分が内臓になる日がやってくるとは・・・まさにミイラ取りがミイラに・・・ではなく着ぐるみ撮りが着ぐるみの内臓になるというわけか?

 取りあえず着ていた服を全部脱いでパンツ一丁になったところで相川さんが入ってきた。相手も男とはいえ、これから美少女着ぐるみの内臓になるからか少し恥ずかしかった。

 「橘高君といったね、この袋に股間に履くサポーターと肌タイが入っているから着替えてくれないか? 肌タイの着方分かるかな? 取りあえず腰まで着たところで呼んでもらえないかな」

 そう言い残して相川さんは隣の部屋に行ってしまった。俺はパンツを脱いでから水着の下に着用するようなサポーターを着てから肌タイを着始めた。まずつま先まで入れたところで何かのスイッチが入ってしまう感覚に襲われた!
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