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(3)コスプレ会場にて

真里亜とは・・・

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 成海が描いた真里亜はこんな女の子だった。裕福で何不自由ない家庭で育ったが、両親と姉夫婦を航空機事故で一度に失うという不幸に見舞われた。そして叔父一家に引き取られたがなじむことが出来ず、半ば強引に入学させられた全寮制女子高で様々な生徒と触れあううちに本来の明るさを取り戻していった。
 そのなかでも一級上の基美には大変親切にしてもらったが、その関係がある出来事を契機に変わっていった。基美と密かに心を通わせていた義兄と重ねてしまい、それに基美も真里亜と禁断の関係になるのを躊躇せず・・・

 小説版では真里亜は基美と女性同士の性行為をする中で、その時に互いの心のうちをさらけ出していく場面が幾度も出ていた。ただアニメ版では賛否両論もあるが十八禁作品になるのを回避するためイメージが流れたり、別の事をしている設定にしていたりしていた。

 そのような作品のため、同人誌では百合百合している場面を描いたりするのが人気を博していたるほどだった。もちろん、成海も半ば公認していた。

 「先生は着ぐるみの基美と真里亜が百合百合しているところを見てみたい、だから着ぐるみチームを作りたいとおっしゃていましたね。私、彼が真里亜をしてくれるならやってもいいですよ」
 
 志桜里は成海にそっと耳元でそう囁いた。

 成海は自分が創作下キャラクターの美少女着ぐるみの濡れ場を見たい思ったのは先輩たちがそうしているのを隠れて見ていたのをもう一度追体験したかったからだ。

 もちろん、今なら金を積めば女優がしてくれるだろうし、イメージアニメを密かに作ってもらうことも出来る。しかし、実際の女優がしてもイメージとは違うし、アニメにしても二次元でしかないからイメージには程遠い。そこで二・五次元の着ぐるみならあの時の想いが蘇るかもしれないと思ったのだ。それには、互いに愛し合っていると思える行為をしてくれるのなら・・・

 だから志桜里がそう言ってくれたのは嬉しかった。あとは彼をおびき寄せて承知しようとしまいとも無理やりにでも真里亜の着ぐるみの内臓にしてから基美との愛の交歓をしてもらうと決めていた。男なら据え膳に手を付けないのは恥だということで、場面さえ整えばやってくれるはずだと。

 そのあと、「基美」に近寄ってきた弘樹に、志桜里が着ぐるみ姿になるのを直接見たいのなら、自分も着ぐるみの内臓になる事を約束させることに成功した成海は内心踊っていた。あの時の先輩たちが蘇ってくると!
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