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(外伝一)アルテミスの美少女着ぐるみ隊
真里亜の代用内臓の言い分
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志桜里の身体はプロバスケット選手だった父譲りの立派なアスリート体形で、高校一年生の時には実業団や大学から将来の誘いがあったほど素質があった。ただ不幸な事故に巻き込まれ生死の境を彷徨う重傷で選手生命を絶たれていた。だから女の子なのに背が高すぎる! なんて中傷されていると思ってもいた。事故の後遺症でどうしても動きが鈍い面があるから。
真里亜の内臓が放ったひと事は志桜里は嫌な気がしたが、一方では仕方ないと思っていた。この前のイベントでも内蔵が男だろと言い張る客がいたからだ。たしかに身長が180㎝もある女がアスリートでもモデルでもないのは不思議なのかもしれなかった。
「そうよねえ、そういわれることもあるけど、あたしはねえ基美なんだからいいんだよ」
そういうと、志桜里は基美のマスクの中を確認していた。このマスクは志桜里のために新調してもらったばかりだったからだ。すると真里亜の内臓の女がこんなことを言い出した。
「あなたって、学生さん?」
「はい、そうですが・・・」
「じゃあ、バイト?」
「バイトといわれたらバイトみたいなものですけど・・・こうやって着ぐるみさんになるのが好きだから・・・やらせてもらっています」
「好き? なんでなのよ! 着ぐるみのマスクを被ったらどこの誰だか分からなくなるのよ!」
「それもそうですが・・・」
どうも真里亜の内臓はこんな仕事をしても顔が出ないので実績にならないのが不満なようだ。芸能界の仕事の中には顔を出さないものも多数あるが、彼女はそこそこの美人だという自負があるらしく、与えられたこの仕事が嫌のようだ。
その様子にスタッフはうんざりという雰囲気だった。そんな不満は家に帰ってから言ってくれよ、士気も下がってしかたないと訴えているようだった。
結局、真里亜のマスクを嫌々だったが、被った後で態度が一変した。それは自転車に乗るまでは怖がっていた幼児が乗ると魅力に取りつかれたかのようなのと一緒だった。
「思っていたよりも・・・気持ち良いわね、これ! あたしってこんなに可愛かったのね!」
真里亜の姿を姿見でみた彼女は気に入ったというジェスチャーをした。ちなみに真里亜の設定の性格では内気で引っ込み思案、ただし基美のまえでは陽気というものなので、大勢の人の前ではそんなことはするはずなかった。
「やれ、やれ。どうなるものかと思ったが、今日の所はあれでいかそう。でも真里亜の内臓はもっと基美の内臓と相性がよくなければならないな!」
道具の隙間から二人の着ぐるみの内臓の様子を見ていた成海はそう口にしていた。成海の理想は基美も真里亜も内臓同士が相思相愛なのが理想だと思っているようであった。そのあと成海と一緒に二人の着ぐるみ美少女はサイン会に出席したが、その内臓のペアは最初で最後になった。余談だが、真里亜の内臓になった女はそのあとで、着ぐるみのスーツアクターに転身したという、その時彼女に何かのスイッチが本当に入ったようだ。
真里亜の内臓が放ったひと事は志桜里は嫌な気がしたが、一方では仕方ないと思っていた。この前のイベントでも内蔵が男だろと言い張る客がいたからだ。たしかに身長が180㎝もある女がアスリートでもモデルでもないのは不思議なのかもしれなかった。
「そうよねえ、そういわれることもあるけど、あたしはねえ基美なんだからいいんだよ」
そういうと、志桜里は基美のマスクの中を確認していた。このマスクは志桜里のために新調してもらったばかりだったからだ。すると真里亜の内臓の女がこんなことを言い出した。
「あなたって、学生さん?」
「はい、そうですが・・・」
「じゃあ、バイト?」
「バイトといわれたらバイトみたいなものですけど・・・こうやって着ぐるみさんになるのが好きだから・・・やらせてもらっています」
「好き? なんでなのよ! 着ぐるみのマスクを被ったらどこの誰だか分からなくなるのよ!」
「それもそうですが・・・」
どうも真里亜の内臓はこんな仕事をしても顔が出ないので実績にならないのが不満なようだ。芸能界の仕事の中には顔を出さないものも多数あるが、彼女はそこそこの美人だという自負があるらしく、与えられたこの仕事が嫌のようだ。
その様子にスタッフはうんざりという雰囲気だった。そんな不満は家に帰ってから言ってくれよ、士気も下がってしかたないと訴えているようだった。
結局、真里亜のマスクを嫌々だったが、被った後で態度が一変した。それは自転車に乗るまでは怖がっていた幼児が乗ると魅力に取りつかれたかのようなのと一緒だった。
「思っていたよりも・・・気持ち良いわね、これ! あたしってこんなに可愛かったのね!」
真里亜の姿を姿見でみた彼女は気に入ったというジェスチャーをした。ちなみに真里亜の設定の性格では内気で引っ込み思案、ただし基美のまえでは陽気というものなので、大勢の人の前ではそんなことはするはずなかった。
「やれ、やれ。どうなるものかと思ったが、今日の所はあれでいかそう。でも真里亜の内臓はもっと基美の内臓と相性がよくなければならないな!」
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