【短編集】恋愛のもつれで物に変えられた男女の運命は！？

姉を追い出し結ばれようとした妹は改造されることを知らなかった

前編

　あの地味な女から彼を奪う事に成功した！　もともと先方の猛プッシュで婚約していたが、どう見ても不釣り合いに見えた。彼は頭脳明晰容姿端麗品行方正で、おまけに先祖代々お金持ちなのだ。そんな優良物件は姉にもったいなかった。だから奪った！

　奪ったけど姉は嬉しいようにしか見えない態度を取った。私は強がっているようにしか感じなかったが、理由を尋ねても一切答えなかった。むしろ奪った事を感謝しているようにしか見えなかった。

　結婚式当日、姉は晴れ晴れとした表情だった、不気味なほどに。その時新たな彼氏が出来たわけでもなく、誰も式に同伴しないというのにである。その理由をしるのは、結婚初夜だった！


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　妹に婚約者を奪われた。普通だったら慟哭し激しく恨むだろうけど私は違った。彼が結婚する理由を知ってしまったからだ。本人が説明したわけではないが、とある友人から警告を受けていた。彼は人道に反する事をしようとしていると、このままでは餌食にされると。

　だから私は結婚前に出奔する準備を進めていた。彼の魔の手から逃れるために偽名パスポートや、とある国の身分証明を入手し、まとまった資金も用意していた。でも手間が省けた。あの人が妹に乗り換えたから。誘惑に負けたわけだ。彼は気付いたのだ、姉よりも自分の夢を叶える素材に・・・


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　私は幸福の絶頂だった。ついに結婚したんだと。結婚式のあとは初夜だ！　ついに正式に結ばれると！　でも、本当の事を言えば身体同士の関係になっていたけど。

　この日の為に新たに建てられた別宅は外装も内装も素晴らしかった。これから始まる生活に胸を躍らしていた。でも、そんな日はやってこなかった。なぜなら・・・


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　ついに僕の幼い時からの夢が叶うときがきた！　いくつか生体を使ったあの方法は何度も試してきた。でも、人間に応用するのは初めてだった。それが成功すれば彼女はずっとそのままだ！　彼女を素体に選んでよかったと思っていた。


　嫁となった女は幸福の笑みを浮かべていた。でも、その笑みは永遠に封印する事を彼女は知らなかった。なぜなら彼女は改造素材だから！　僕は彼女を抱擁したとき、首筋に注射器を打ち込んだ。彼女の身体はその場に崩れ落ちた。これから始める僕の幼い時の夢が叶う事に胸を躍らしている自分だけがいた。