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初夜にアレを拒否されたけど仕方がないといえる

その夜その朝

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結婚した日の夜はアレ、夫婦の契を結ぶものとされている。中には結婚式の2次会3次会を深夜までやってしまって二人共酔いつぶれたら出来なかった、なんてこともあるかもしれない。それとも、その前に結ばれたなんて事もあるかもしれない。でも、この物語の二人はいささか毛色が違っていた。

 家同士の結付きで結ばれた二人がまさに同衾しようとしていた。周囲の者はそう思っていた。少なくとも両家の両親は。でも、二人はそんな雰囲気でなかった。二人共旅支度をしていた、駆け落ちのために。


 実は二人共別に好きな異性がいた。そして結婚の約束もしていた。しかし二人は引き離され今日を迎えていた。

 「こんな事になるなんて・・・」


 夫になったはずの男はつぶやいていた。真っ先にアレを拒否されたから。それは自分も言うはずだったから。


 「あなたも・・・考えが同じだったなんて」

 妻になった女も意外っていう感じであった。彼女の計画ではアレを拒否した後は駆け落ちするつもりだった。すでに相手を待たせているはずだった。

 「僕も、彼女を待たせている・・・それにしても、こんな事になるなんて・・・」

 二人の目の前には男女二人が二組いた。二人共夫婦の契をしているような偽造をするため、金で雇ってきたカップルがいたから・・・

 「いいですよ、うちらで楽しみますから。お二人さんは早くお行きなさい」

 二組のカップルはもう始めていた。それを見た花婿と花嫁になったはずの二人は恥ずかしくて仕方なかった・・・まだ、童貞と処女だというのに・・・

 とりあえず、二人は二人共新居になるはずだった場所を脱出した。結婚披露宴に参加していた者たちが騒いでいるので気づかれないようだった。
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