宇宙航海士育成学校日誌

生徒たち

03

　レンファンだけでなく宇宙航海士候補生である生徒たちは全てロボットのようにしかみえない姿になっていた。人間だったときの姿は原則として見せてはならないとされているので、人種も年齢も分からない状態であった。また、原則として練習宇宙船に乗るメンバーはシャッフルされるので、同じ国から来たものは一緒になるわけではないし、一緒になっても互いに分からなかった。実は元の名前も非公開になるから。

　レンファンは制服を装着された後は、自分の名前をシオリと名乗る事になった。それで元の国籍を隠すわけだ。因みに最初に話をした彼女は初対面であったが、なんとなく話をしただけだった。そのため、彼女はどこの誰なのか分からなかった。名前はリンダと名乗ったが本名も出身も知るよしもなかった。

　シオリとリンダは集合場所に指定された部屋に集まっていた。そこには同じように機械で身体を覆われてしまった生徒たちがいた。そこでは練習宇宙船ごとに並んでいた。そのとき、並んでいたものの中に生徒ではなく採点役の純粋なロボットもいたが、何人が入っているかは知らされていなかった。