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第二章 聖女フランチェスカの受難
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フランチェスカは破魔の聖女であるので、予言といった能力はなかった。なのに、そのような事を言うのが不思議だった。もしかすると不安なのかと思った。大抵の出兵ではフランチェスカの直ぐそばでアベルが配置される場合があったが、いままでだってどちらかがいないという事はあった。だから今回が特別というわけではなかった。
「フランチェスカ様、大丈夫ですよ。第二副騎士団長のカインズは勇猛ですし。それに、近隣から応援が来るから大丈夫ですよ」
アベルはそう宥めたが、フランチェスカはこんなことをいった。
「もしかすると、次に会うときは今の心と身体じゃないような不安がします。ですから・・・もし私の身体が心を失っていたら、遠慮なしに滅ぼしてください」
そんな謎の言葉を残して去っていた。アベルは気にしないようにしたが、そんな悪夢が現実になるとは思っても居なかった。アベルが指揮する聖女騎士団本隊は王都を出発すると一路北の大街道を進軍していった。その数は5000であった。
そのあと、理想的な形で北の聖女たちと合流し、異界の門の出現が予測される北の海岸に予定よりも半日早く到着したが、それは無駄足になった。異界の門は出現したが、激しい暴風をまき散らせただけに終わった。ただ、その暴風によって数日足止めされたことが、そのあと大きく響くこととなる。
「フランチェスカ様、大丈夫ですよ。第二副騎士団長のカインズは勇猛ですし。それに、近隣から応援が来るから大丈夫ですよ」
アベルはそう宥めたが、フランチェスカはこんなことをいった。
「もしかすると、次に会うときは今の心と身体じゃないような不安がします。ですから・・・もし私の身体が心を失っていたら、遠慮なしに滅ぼしてください」
そんな謎の言葉を残して去っていた。アベルは気にしないようにしたが、そんな悪夢が現実になるとは思っても居なかった。アベルが指揮する聖女騎士団本隊は王都を出発すると一路北の大街道を進軍していった。その数は5000であった。
そのあと、理想的な形で北の聖女たちと合流し、異界の門の出現が予測される北の海岸に予定よりも半日早く到着したが、それは無駄足になった。異界の門は出現したが、激しい暴風をまき散らせただけに終わった。ただ、その暴風によって数日足止めされたことが、そのあと大きく響くこととなる。
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