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第一章 元聖女シモーネ
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朝目覚めた時の事だ。シモーネにフランチェスカに朝食が終わった後に一緒に来るようにと言われていた。それまで二人の関係性を周囲にばれないように慎重に行動するようというわけだ。でも、女しかいない場にいるのは変に緊張していた。これが男ばかりの環境なら騎士団生活ではずっと当たり前であったが。
「あなた、緊張していない? 本当は聖女隊にいたのでしょ」
修道女見習いのジョアンナに声をかけられた。彼女は白い修道服を着ていたが、袖からのぞく腕は鍛えられた女剣闘士のようにも見えた。
「はい、そのように思います。私は記憶があいまいですが・・・」
「記憶がないのですか?」
「はい、そうです」
フランチェスカはそんな風にごまかした。本当は覚えていても、説明をしたところで短い時間では出来ないし信じてもらえそうもなかったから、仕方ない事だった。すると周囲の修道女から注目されていることに気付き、どう対処すればいいのか考えていた時の事だ。
「ジョアンナさん、フランチェスカさん。修道院長と一緒に出掛ける準備をしてください」
それは呼び出しの指示だった。フランチェスカはともかくなぜ目の前の彼女も呼ばれるのか、意図が分からなかった。
「あなた、緊張していない? 本当は聖女隊にいたのでしょ」
修道女見習いのジョアンナに声をかけられた。彼女は白い修道服を着ていたが、袖からのぞく腕は鍛えられた女剣闘士のようにも見えた。
「はい、そのように思います。私は記憶があいまいですが・・・」
「記憶がないのですか?」
「はい、そうです」
フランチェスカはそんな風にごまかした。本当は覚えていても、説明をしたところで短い時間では出来ないし信じてもらえそうもなかったから、仕方ない事だった。すると周囲の修道女から注目されていることに気付き、どう対処すればいいのか考えていた時の事だ。
「ジョアンナさん、フランチェスカさん。修道院長と一緒に出掛ける準備をしてください」
それは呼び出しの指示だった。フランチェスカはともかくなぜ目の前の彼女も呼ばれるのか、意図が分からなかった。
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