上 下
9 / 11
ヒロインになれたけど

8 圧迫感

しおりを挟む
 眩しい光に包まれた私の視野は真っ白い闇に包まれたかのようだった。視覚が奪われた代わりに全身に強い圧迫感を受けた。それはまるで強い力で締め付けられている様だった。しかも痛いはずなのに下腹部の敏感な部分は気持ちよい刺激のようでもあった。そして毛穴という毛穴に何かが侵入しているようでもあった。

 顔もそれは同じで、鼻の孔や口にも得体のしれない何かが入り込んでいた。そして顔は押しつぶされたようにも思えた。それは一分前後だったようだが永遠に続く快楽のようにも・・・

 「ゼットブルーの誕生おめでとう!」

 シルバーは喜んでいるようだった。でも、何故か表情が分かるようになったの私は?

 「なにを言うのですか?」

 私は指をさそうとしたが、腕が鮮やかな青色をしているのに気づいた!

 「なんなんですか? これって?」

 思わずしゃがむと足も胴も同じように真っ青になっていた。全身タイツ姿になっていた!

 「決まっているんじゃないのよ、あなたはゼットダンの一員に生まれ変わったのよ。変身したわけよ」

 「変身? 変身といえばヒーローやヒロインがなるものだけど、たとえば魔法少女などに。小さい時にイベントで見たことがあるみたいな。でも、この姿って戦闘員じゃないのよ! かっこ悪い!

 「変身? 勝手にしないでよ、もう! 早く戻してよ!」

 「それは出来ないわ。一度変身したら66分06秒は最低でも解除できないわ。無理に解除しようとしたら身体が崩壊するかもね」

 「崩壊? 嫌よ!」

 私はそう言ったが視界がおかしい事に気付いた。目がゴーグルのようなものに覆われ、何かのパラメーターらしきものが見えていた。すると、シルバーは私に近寄ると正面を指さした。すると、そこにはダンススタジオのような巨大な鏡が出現した。そこに写る私はシルバーやピンクのような全身タイツ姿であった。その姿は胸も大きくウエストが括れ女らしいいやらしさを醸し出していたけど・・・

 「ちょっとまってよ! わたしって貧乳なのよ! ナンででかい胸になっているのよ!」

 そこに写る私の身体は原型をとどめていなかった。洗濯板のような胸のはずだし、他にもいろいろ違っていた!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

ゼンタイリスト! 全身タイツなひとびと

ジャン・幸田
ライト文芸
ある日、繁華街に影人間に遭遇した! それに興味を持った好奇心旺盛な大学生・誠弥が出会ったのはゼンタイ好きの連中だった。 それを興味本位と学術的な興味で追っかけた彼は驚異の世界に遭遇する! なんとかして彼ら彼女らの心情を理解しようとして、振り回される事になった誠弥は文章を纏められることができるのだろうか?  

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

人形の中の人の憂鬱

ジャン・幸田
キャラ文芸
 等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。 【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。 【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー

ジャン・幸田
キャラ文芸
 いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?  徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!

引きこもりアラフォーはポツンと一軒家でイモつくりをはじめます

ジャン・幸田
キャラ文芸
 アラフォー世代で引きこもりの村瀬は住まいを奪われホームレスになるところを救われた! それは山奥のポツンと一軒家で生活するという依頼だった。条件はヘンテコなイモの栽培!  そのイモ自体はなんの変哲もないものだったが、なぜか村瀬の一軒家には物の怪たちが集まるようになった! 一体全体なんなんだ?

フェチな女の子に恋したら変態なのかよ!

ジャン・幸田
恋愛
 お隣の古い文化住宅に住んでいる女の子に恋をしました。彼女の笑顔とその身体に! でも、それは全ての間違いだった・・・  その女の子はとてもフェチな趣味を持っていた。おかけで田舎から上京した純朴だった僕は変態の仲間入りする破目に? そして、その女の子の職業っていったい? ゼンタイ好きでラテックスラバー好きで美少女着ぐるみ好きで、いったいぜんたいなんなんだ、彼女は! *(注意事項)  作品中に着ぐるみ、ゼンタイ、水着、ラテックスラバーといったフェチなアイテムが出てきます。そう言ったアイテムに嫌悪感を抱く方は決して開かないでください。責任はモテませんから!

処理中です...