恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから！

ヒロインになれたけど

７ 変身

　目の前のシルバーを名乗る女の身体は女らしさが漂っていた。豊満な肉体を覆うのはゼンタイ！　でも、変身ってなんなのよ、着ているだけじゃないのよ！

　「変身といわれても・・・全身にダンスなんかに使うレオタードというかタイツというかを、着ているだけじゃないのですか？」

　私もタイツは着たことはあった。体育の授業でダンスがあって、使った・・・でも、あれは顔は隠れていなかったわ。顔は覆わないし・・・

　「着ていないわ！　ほら、私の腕を見て、縫合した痕跡はないわよ、縫い目見えないわ！」

　そういってシルバーは私に腕を触らした。どこにも縫い目らしいものはなく、皮膚そのものにしか見えなかった。それに皺もなかった。

　「そうですが・・・どうやって着用するのですか？　背中にチャックでもあるのですか？」

　「チャック？　それはフツーのゼンタイを着用するものよ。私たちが纏うゼットダンスウツは、直接素肌に張り付いて細胞補正するのよ。ここだけの話、メンバーの中には男の子もいるわよ。でも、変身している間は完全に女性化しているわ」

　ゼットダンの中に男がいる？　そんなの変態じゃん！　恵は言うのは正しかったんだ！　でも、そんなことは言えなかった。そんなことを言ったら私って人生終了かもしれなかった。目の前のゼンタイ女に消されるかもしれない恐れがあった。

　「そうですか・・・変身しなくちゃいけないのですよね。どうすればいいのですか？」

　「変身方法だけど、まずハダカになってから、左手を上げて呪文を唱えるのよ。あなたは“形態変化ゼットブルー”よ」

　私は半信半疑で言われたとおりにした。すると左手からまばゆい光が放たれ全身を覆っていった！　わたしは一体全体？