メイコンな彼女に振り回されて

ジャン・幸田

文字の大きさ
上 下
10 / 12
一章・二人暮らしの意味

幽霊と帰国

しおりを挟む
 美齢は可愛らしさと強さを兼ね備えた少女だった。だが不幸にして死を迎えたはずだった。しかしこの世に残した使命を果たすためにこの世に再び召喚された。誰かの親族以外の肉体に憑依しなければ遠くに移動できないため、日本に帰国する慎司を「夫」にしたわけだ。そこには慎司の都合などお構いなかった。

 彼女を隣にして飛行機に座った慎司は注目の的だった。隣に美少女がいたからだ。二人があまりにも不釣り合いだった。簡単に言えば「姫様と下級召使」のようだ。そんな二人が別れたのは日本に到着後に入国手続きであった。巨大な空港で別々のブースに並ぶしかなかったからだ。

 ふっと、慎司は出来心でそのまま帰るつもりになった。待ち合わせをしていなかったからだ。そういえば彼女と約束するのを忘れていた。このまま別れてもいいだろうと考えたわけだ。

 それで急いで空港リムジンバスのチケットカウンターに行った。「結婚」したとはいえ、相手は幽霊。追いかけてこないと思ったが考えは甘かった。いつのまにか隣に彼女がいた。

 「わたしが払うわよ」

 「いつのまに?」

 「あなたの身体にわたしの霊魂があるから実体化なんてすぐ出来るわよ。だから、いつもあなたと一緒よ!」

 「そうなのか・・・それにしても、ついて来ても大丈夫なのか? いきなり出現したら誰かに気付かれないのか?」

 「それは大丈夫! 周囲の人に気付かれないようにあなたの周りには結界があるのよ。普通レベルの霊能力なら気付かれないわ」

 「そ、そうかあ」

 「そうそう、あなたに協力してもらうから、いろいろ便宜をはかるわね。これからあなたの家に一緒にいくわ」

 「ちょっとまて! うちには両親と妹が!」

 「それは大丈夫よ、まかせなさい! 」

 なにが大丈夫なのか不安でしかない慎司であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた エアコンまとめ

エアコン
恋愛
冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた とエアコンの作品色々

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……

Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。 優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。 そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。 しかしこの時は誰も予想していなかった。 この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを…… アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを…… ※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~

むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。 ☆10/25からは、毎日18時に更新予定!

処理中です...