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一章・二人暮らしの意味
ひとつの身体を共有
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慎司は自分の身体が女体化したことに驚いていた。でも、心の中にさっきまでいたはずの美齢の声が響いた。
「あなたの身体を貸してもらっているわよ。わたしの魂は幽霊の姿である程度実体化できるし、軽いモノだったら物体を動かすことができるけど、出来ない事もあるのよ。それは戦う事! わたしを殺したあいつを封印しなければ大変なことになるのよ、この世界は!」
そういわれても慎司は信じられなかった。自分の身体は美齢に憑依されると、本人になるなんて。それで、思わすしたのは自分の股間を触る事だった。アソコはなかった。すると怒りの声が聞こえた。
「なにやっているのよ! エッチ! こうしてやるわよ」
すると身体の自由は奪われ美齢の意志が優先するようになったらしく勝手に身体が動き出した。
「どういうこと?」
「決まっているじゃないのよ! 憑依している間は私の身体としていつでも動かせるのよ!」
「ご、ごめん、夢かと思ったんだ!」
「まあ、謝ってくれるの? まあ、いいや。でも、準備させてね。わたしも日本に行くんだからね」
そういうと美齢は自分の部屋へと入った。そこはその国の若い娘らしい飾り付けがされた部屋だった。スーツケースに荷物を積めると写真たてを手に取った。
「これがわたしの両親よ! この世界を護るためにあちらこちらを旅しているのよ。でも、残念なのは生きてもう会えない事ね。わたしは僅かな骨だけになったから、仕方ないわね。幽霊として会いたくないしね。だから手紙を書くから・・・あなたの意識眠ってちょうだいね!」
そういわれ慎司の意識はシャットアウトさせられたかのようになった。
いつの間にか朝が来てしまった。なんか悪い夢でもみたものだと慎司が目を覚ますと目の前には美齢がいた。彼女はまるで旅行に行くような格好をしていた。
「き、きみは美齢?」
「そうよ、当たり前じゃないのよ、あなたの妻なんだから一緒に行動するのは! はやく飛行場に行かないといけないでしょう」
明るく爽やかな笑顔を見せて手を取ったが、彼女の手に体温はなかった。死人のように。
「う、うんわかった。でも、君ってその幽霊だろ? 飛行機に乗れるのかい?」
「それは大丈夫! わたしは身体は消失しているけど死亡届を役所に出していないから法律上は生きているのよ。それに、ちゃんと日本の留学ビザも取得しているしね」
こうして、慎司は幽霊の美齢と新しい生活へと出発した。これから起きる事態を何も想像することは彼には出来なかった。
「あなたの身体を貸してもらっているわよ。わたしの魂は幽霊の姿である程度実体化できるし、軽いモノだったら物体を動かすことができるけど、出来ない事もあるのよ。それは戦う事! わたしを殺したあいつを封印しなければ大変なことになるのよ、この世界は!」
そういわれても慎司は信じられなかった。自分の身体は美齢に憑依されると、本人になるなんて。それで、思わすしたのは自分の股間を触る事だった。アソコはなかった。すると怒りの声が聞こえた。
「なにやっているのよ! エッチ! こうしてやるわよ」
すると身体の自由は奪われ美齢の意志が優先するようになったらしく勝手に身体が動き出した。
「どういうこと?」
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「ご、ごめん、夢かと思ったんだ!」
「まあ、謝ってくれるの? まあ、いいや。でも、準備させてね。わたしも日本に行くんだからね」
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「これがわたしの両親よ! この世界を護るためにあちらこちらを旅しているのよ。でも、残念なのは生きてもう会えない事ね。わたしは僅かな骨だけになったから、仕方ないわね。幽霊として会いたくないしね。だから手紙を書くから・・・あなたの意識眠ってちょうだいね!」
そういわれ慎司の意識はシャットアウトさせられたかのようになった。
いつの間にか朝が来てしまった。なんか悪い夢でもみたものだと慎司が目を覚ますと目の前には美齢がいた。彼女はまるで旅行に行くような格好をしていた。
「き、きみは美齢?」
「そうよ、当たり前じゃないのよ、あなたの妻なんだから一緒に行動するのは! はやく飛行場に行かないといけないでしょう」
明るく爽やかな笑顔を見せて手を取ったが、彼女の手に体温はなかった。死人のように。
「う、うんわかった。でも、君ってその幽霊だろ? 飛行機に乗れるのかい?」
「それは大丈夫! わたしは身体は消失しているけど死亡届を役所に出していないから法律上は生きているのよ。それに、ちゃんと日本の留学ビザも取得しているしね」
こうして、慎司は幽霊の美齢と新しい生活へと出発した。これから起きる事態を何も想像することは彼には出来なかった。
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