メイコンな彼女に振り回されて

ジャン・幸田

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序章・メイコンな彼女

合体すると

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 美齢は女の子らしい可愛い顔と均整がとれた綺麗な体型をしていた。唯一残念なのは幽霊だった・・・慎司は抱きつかれて動揺していた。幽霊に抱きつかれた事よりも女の子と抱き合っている事に。

 「ちょっと、まってくれないか? なんか?」

 慎司は動揺していた。初めての事に。女の子とこんなことになるなんて。

 「嫌なの? ああ、あたしって幽霊だから? でも感じるでしょ! ちょっと冷たいかもしれないけどね」

 美齢は笑顔でいっていたけど、いろんなことを言いたかった。もし何も知らない第三者がいたら結婚初夜だし・・・って、まさか? 慎司はドキッとした。

 「き、君ってまさか? エッチを?」

 そういうと美齢は悪戯っぽい笑顔を見せた。

 「エッチ? そうねあたししたかったわね、誰かと結ばれるって憧れていたからね。でも処女のまま死んだのよ! だから、具体的に何をするのかは・・・あなたもやったことないわけなの?」

 そう聞かれ慎司は首を縦に振っていた。すると美齢はさらにきつく抱きついて来た。ああ、幽霊に犯されてしまうと思った瞬間、慎司の意識はとんだ。

 それからしばらくして慎司は目を覚ました。そこには美齢の姿はなかった。なんだ、夢だったんだおかしな夢を見るものだなと感じていた。いつの間にか寝ていたんだと思い慎司が身体を起こすと違和感があった。身体が軽く感じるのだ。それに着ているモノがなんか綺麗だった。なんか中華風の・・・女の服を着ていた!

 ぼんやりした頭で姿見の前に立つと、そこに映っていたのは美齢だった。慎司の頭の中はパニックに陥っていた。そのとき、頭の中で声が聞こえた。

 「慎司! あたしたちは合体したのよ。あなたの身体を使って再生したのよ、肉体がね」

 これはそういうことなんだ、合体してなんで美齢になったのか、理解が出来なかった。
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