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序章・メイコンな彼女
お金に目がくらんで
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無添道士を名乗る老人は慎司に冥婚について説明してくれた。ただ退屈な話なので殆ど耳に入ってからすぐに突き抜けてしまったが。ただ、なぜ自分が選ばれたのかというのは食い下がって聞いていた。
「どうして僕なのですか?」
「そりゃ拾ったからさ。冥婚の相手は誰でも良いという訳にはいかないんじゃ。いろんな方法があるんじゃが、今回は赤い封筒を拾った者で、出来れば日本人という占いが出たんじゃ。そうすれば美齢の霊にとっていいんだということになったんじゃ」
「赤い封筒を拾ったからですか…辞退する事はできるんですか?」
慎司からすれば、いくら美人でも死んでしまった娘と結婚しても利益があるわけでもないし、なんだか気持ち悪くてしかたなかった。
「辞退か・・・あんた二百元もっているか? それを渡す時に良い縁がありますようにと言えばいいんだ」
慎司は自分の財布を探してみたが、夜の飛行機で帰るつもりだったので、空港までのバス代ぐらいしかなかった。それで二百元分の小銭を集めようとしていたら。無添道士が別の封筒を渡してくれた。その封筒の中身を見ると、なぜか二十万円、しかも日本の! が入っていた。
「これって?」
「美齢の持参金さ。嫁にしてもらうからな。それと半年間結婚していた事にしてくれたら、半年後にこの十倍の生活費を渡してやる。悪い話じゃないだろ?」
慎司は金をくれると聞いて益々怪しいと思ったが、貧乏な彼にとって二十万円は大変魅力的であった。結果的に慎司は金の魔力によって冥婚を受け入れてしまった。
「どうして僕なのですか?」
「そりゃ拾ったからさ。冥婚の相手は誰でも良いという訳にはいかないんじゃ。いろんな方法があるんじゃが、今回は赤い封筒を拾った者で、出来れば日本人という占いが出たんじゃ。そうすれば美齢の霊にとっていいんだということになったんじゃ」
「赤い封筒を拾ったからですか…辞退する事はできるんですか?」
慎司からすれば、いくら美人でも死んでしまった娘と結婚しても利益があるわけでもないし、なんだか気持ち悪くてしかたなかった。
「辞退か・・・あんた二百元もっているか? それを渡す時に良い縁がありますようにと言えばいいんだ」
慎司は自分の財布を探してみたが、夜の飛行機で帰るつもりだったので、空港までのバス代ぐらいしかなかった。それで二百元分の小銭を集めようとしていたら。無添道士が別の封筒を渡してくれた。その封筒の中身を見ると、なぜか二十万円、しかも日本の! が入っていた。
「これって?」
「美齢の持参金さ。嫁にしてもらうからな。それと半年間結婚していた事にしてくれたら、半年後にこの十倍の生活費を渡してやる。悪い話じゃないだろ?」
慎司は金をくれると聞いて益々怪しいと思ったが、貧乏な彼にとって二十万円は大変魅力的であった。結果的に慎司は金の魔力によって冥婚を受け入れてしまった。
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