メイコンな彼女に振り回されて

ジャン・幸田

文字の大きさ
上 下
3 / 12
序章・メイコンな彼女

冥婚しろって?

しおりを挟む
 その老人は占い師のような老人であったが、その国の何に相当するのか慎司には分からなかった。慎司は少しだけその国の言葉は理解できたが、あんまり細かい事まで質問するスキルは無かった。どうしようと思っていた時、その占い師が日本語で話して来た。

 「あんた、日本人だろ?」

 きょとんとしていると、奥から何やら写真を取り出して来た。その写真には可愛らしいチャイナドレスを着た美人が映っていた。まるでアイドルのブロマイドのようだった。

 「そうですが」

 「そうか、よかった。実はこの娘と結婚してくれないか? いますぐに!」

 あんまりの展開に慎司は座らされていた椅子から滑り落ちてしまった。するとさらに驚くことをいった。

 「そうそう、言っとかんといけないが、この娘は先週死んだんだ。残念な事にまだ男も知らないというのに不憫な事だ!」

 死んだ娘と結婚? 慎司にはなにがなんだが分からなくなっていた。

 「死んだ娘と結婚? どうしてそうなるのですか?」

 するとさっき拾った赤い封筒をつきだして来た。

 「この赤い封筒の意味を知らないのかあんたは?」

 「はい、わかりませんが・・・」

 「じゃあ、冥婚は?」

 「冥婚、ですか?」

 慎司は何も知らない事を確認すると、詳しい説明をしなけれなならないという顔をした。

 「しかたないなあ、言い忘れたがわしは無添道士といって、まあ日本でいえば神主みたいなものさ。この国では未婚で死んでしまった男女のために結婚をさせる習慣があるのさ。で、死んだ者と結婚できるのは生きた人間じゃないといけないのさ。それで選ばれたわけさあんたに!」

 一体全体何の話なのか慎司の理解を超えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

入れ替わりノート

廣瀬純一
ファンタジー
誰かと入れ替われるノートの話

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた エアコンまとめ

エアコン
恋愛
冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた とエアコンの作品色々

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

『王家の面汚し』と呼ばれ帝国へ売られた王女ですが、普通に歓迎されました……

Ryo-k
ファンタジー
王宮で開かれた側妃主催のパーティーで婚約破棄を告げられたのは、アシュリー・クローネ第一王女。 優秀と言われているラビニア・クローネ第二王女と常に比較され続け、彼女は貴族たちからは『王家の面汚し』と呼ばれ疎まれていた。 そんな彼女は、帝国との交易の条件として、帝国に送られることになる。 しかしこの時は誰も予想していなかった。 この出来事が、王国の滅亡へのカウントダウンの始まりであることを…… アシュリーが帝国で、秘められていた才能を開花するのを…… ※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...