メイコンな彼女に振り回されて

ジャン・幸田

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序章・メイコンな彼女

赤い封筒拾った

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 慎司がとある国を旅行していた時の事だ。旅行、といっても何かの話のネタでも探しているんだと自分では思っていた、いわゆる取材旅行だと。でも、取材といっても具体的な作品まで完成した試しは無かった。完成して出版社に持ち込んでもダメ出しまで行かずに門前払いという事の方が多かった。ようはクオリティーが低すぎだから。だから彷徨う、という表現が正しいのかもしれない。そんな漂泊の旅の終わりに近づいていた。

 「なんだ、この赤い封筒は?」

 慎司は路面に落ちていたのを拾ってしまった。その封筒の中には札束が入っていた! しかもものすごい額面の紙幣が! でも、変な事に気付いた。それには閻魔大王のような時代かかった人物が描かれ、表には「冥府銀行券」とあった。なんだ、おもちゃだったんだと思った時のことだ。いつの間にか周囲に黒ずくめの男に包囲されていた。

 「ぼ、ぼく、ただ拾っただけです!」

 慎司はビビっていた。すると男の一人がこう切り出した。

 「来てくれないか? 我々と一緒に。悪い話にはならないから!」

 悪い話にならない? その前にビビっていた慎司は拒否することも出来ない思考停止に陥っていた。そのまま近くの建物に引き込まれてしまった。そして中華風の占い師のような老人の前に引きずり出されてしまった。そこでなにやらお祓いのようなことをしだした。そして、一連の動作が終わるとこういった。

 「お主、頼みたいことがある!」

 そう言われても赤い封筒を拾っただけで、なぜそうなるのか訳が分からなかった慎司であった。
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