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押しかけ女房?
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慎司は貧乏な作家志望の・・・ただの貧乏人だった。そんな彼は取材旅行と称してふらっと旅行に行く事があった。本当は金も無いのに無軌道で無計画な行き当たりばったりな旅に行っているようだった。それが慎司が借りているアパートの大家の老婆坂井キミエの見立てだった。なのに・・・
そんな慎司の部屋に若い娘がいつの間にか暮らすようになっていた。しかもものすごい美人だった。どうやら押しかけ女房のようだった。慎司はそう答えたからだ。でも、彼女には秘密があった。幽霊だった・・・
「慎司、朝ごはん出来たわよ」
その声に慎司は起きたが、一人分の食事しか用意されていなかった。美齢は食べる必要はないが料理は出来た。でも、欠点があった。
「いつもありがとう。ケチをつけて申し訳ないけど・・・辛いよ味付けが」
怒った美齢は慎司の身体の上に乗っかかると、慎司の身体が変化してしまった。そしてその場には美齢しかいなくなってしまった。しばらくして美齢は何処かへと出ようと階段を下りていると掃除をしていた大家の坂井とばったり会い、朝の挨拶をした。
「おはようございますね、あれ旦那さんは?」
大家は不審に思い聞いてみた。いつの間にか慎司がいなくなっていたから。
「朝早くお出かけしました。今日は遅くまで戻らないそうです。わたしも出かけますわ」
「そう、まあ気を付けてね。それにしても可愛い人を置いて出かけるなんて、果報者だね」
美麗は微笑むと少し離れたところで表情が厳しくなった。
「早くしないと・・・わたしの霊力が尽きる前に探し出さなくっちゃ! 慎司もお願いね!」
美麗は璧で出来た腕輪をのぞき込んでいた。人生を終えたはずの娘がやり残した事を達成するために。
そんな慎司の部屋に若い娘がいつの間にか暮らすようになっていた。しかもものすごい美人だった。どうやら押しかけ女房のようだった。慎司はそう答えたからだ。でも、彼女には秘密があった。幽霊だった・・・
「慎司、朝ごはん出来たわよ」
その声に慎司は起きたが、一人分の食事しか用意されていなかった。美齢は食べる必要はないが料理は出来た。でも、欠点があった。
「いつもありがとう。ケチをつけて申し訳ないけど・・・辛いよ味付けが」
怒った美齢は慎司の身体の上に乗っかかると、慎司の身体が変化してしまった。そしてその場には美齢しかいなくなってしまった。しばらくして美齢は何処かへと出ようと階段を下りていると掃除をしていた大家の坂井とばったり会い、朝の挨拶をした。
「おはようございますね、あれ旦那さんは?」
大家は不審に思い聞いてみた。いつの間にか慎司がいなくなっていたから。
「朝早くお出かけしました。今日は遅くまで戻らないそうです。わたしも出かけますわ」
「そう、まあ気を付けてね。それにしても可愛い人を置いて出かけるなんて、果報者だね」
美麗は微笑むと少し離れたところで表情が厳しくなった。
「早くしないと・・・わたしの霊力が尽きる前に探し出さなくっちゃ! 慎司もお願いね!」
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